膝が痛くて3か月も改善しないと来院されたAさん。特にプリエが痛い、シャンジュマンでは痛くて飛べなかったそうです。
膝痛では多くの場合、膝の上の筋肉ががちがちになりやすい傾向があります。
ほぐしても硬さがとれないため、膝周りの筋肉・筋膜や靭帯、腱が引っ張られて痛みが出る、そういう例が少なくありません。
けれどAさんの膝上はさほど硬くなかったのです。
そして一番痛みを感じる膝裏はがちがちになっていました。
膝裏は、膝を曲げ伸ばしする筋肉が始まる場所でもあります。
膝の前と後ろの世界はこちら
膝の前も後ろも、ある程度筋肉や筋膜には緩みがある方が動かしやすいです。
ぎしぎしに箱に詰めたお菓子って、いざ取り出そうとするとつかみにくくて、壊れやすかったりしませんか。
人のカラダも同じなんです。
筋肉や靭帯にも柔軟性に個人差がありますが、膝回りの筋肉がガチガチに硬くなっている状態では柔らかいプリエはやりにくいです。
膝裏の硬さがとれたところで、膝の動きを確認するためにプリエをしてもらいました。
すると「ここが痛いです」という場所が出てきました。
それは膝の内側の凹んだところ、でした。
鵞足炎と言われる症状。
膝の内側には鵞足と言って筋肉が集まる場所があるのですが、その周りの筋肉や筋膜に炎症がでる状態のことです。
頭が重痛くてどうしようもないけれど熱はない…原因は歯だった、のように「今すごく痛い、硬いところとは別のところに原因が潜んでいる」これはよくあることです。
大元の原因がつかめたので鵞足炎をバレエ鍼灸でしっかり治療しました。するとプリエでも痛みが出なくなりました。
膝の内側が原因だったけれど、痛みを感じるのは膝裏、ということは膝痛だけでなく腰痛でも同じようなことが起きます。
治療はしているのに治るのに時間がかかる、というケースではAさんのような例が少なくありません。
プリエやシャンジュマンなどを知っている施術者は増えましたが、実際にどんなところに負担がかかるか、それを診わけるにはダンス経験や教えの経験がある方が理解しやすいです。
膝痛の直りが遅い方はご相談くださいね。