この記事は、膝と股関節が痛くて踊りに戻りにくかったKさんのケースで、筋力不足という一般の整形外科による診方と違うバレエ・ダンス専門治療院の診方と治療の過程をご紹介しています。
【悩み】膝・股関節・腰が痛く、筋力不足と言われた
【原因】筋力ではなく、3つの関節(股関節・膝・足首)が揃わない立ち方(関節のゆがみ)
【発見】反り腰を避けたい意識が、逆に膝を緩めすぎる姿勢を作っていた
【対処】バレエ鍼灸で筋膜を整え、関節をニュートラルに揃える施術
【変化】痛みが軽減し、整形外科でのテストもクリアできるように
【提案】膝・股関節の痛みは“筋力”より“関節の位置”のチェックが重要
踊ると膝と股関節が痛くなりやすいK さん。
今回は腰まで痛くなったと来院されました
何時に来る前に整形外科でも画像を撮ってもらったそうですが、何もなかったそうです。
そして彼女の脚を診た先生から「筋力が足りない、それが原因じゃないかな」と言われたそうです。
しかし、あんじゅでよく診てみるとKさんの脚(この場合には、太もものことを指します)の前にある大腿四頭筋、そして後ろにあるハムストリングス、この2つの筋肉に、大きな衰えは見当たりませんでした。
何を持って筋力が足りないと言われたのかと確認してみると
「脚を伸ばした状態で手で抵抗をかけられて、その脚を上げるように指示されたのでやってみたら全然上がらなかったので、筋力がないと言われたんです」
さらに、お話を伺ってみるとKさんは反り腰になることをとても心配していて、膝を押したくないと逆に膝を緩めすぎていたことがわかりました。
これでピンときました。
人の足は、股関節膝関節、足首の関節、この3つが揃った位置にある時、一番力を発揮することができます。

スポーツだけでなく、膝を曲げるプリアを行うバレエでもジャズダンスでも同じことで、3つの関節が揃った状態でプリエをすると1番ターンアウトアウトがしやすくなります。
ここまで読むと、膝押したくない、反り腰になりたくないと、膝を少し緩めて立つ癖をつけていたKさんは逆のことをしているとわかりますよね。
幸いなことに膝を緩めて立っていたことで、筋肉が大きく減っていたと言う訳ではありませんでした。
・施術は、バレエ鍼灸で固まっている筋肉と、炎症を起こしている筋膜をしっかり治療
・股関節、膝関節、足首の関節をニュートラルなポジションに揃える
をおこなって、整形外科と同じテストをしてみました。
結果はもうお分かりのようにしっかり脚を上げることができたのです。
同じような治療に思いますが、一般的な医療機関や治療院とバレエダンス、専門治療院の診方は、踊るときに何が1番大切であるかと言うことからスタートしています。
膝痛や股関節痛、腰痛を繰り返す方はご相談くださいね。バレエダンス、専門治療院がサポートしますよ。
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【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、「バレエ鍼灸」と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、施術・ターンアウト改善、開脚改善などを展開。
著書:『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
フロアバレエクラス:新宿にて月1回開催中
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▶ Instagram:ballet.ange
本記事では、バレエの解剖学の外部講師として活動する筆者が、踊るためのカラダの仕組みや動きの仕組みをわかりやすく解説します。
