バレエ・ダンス専門治療院あんじゅでは昨年から、専門治療院の診方シリーズをアップしています。前回はジュニアの縦開脚編。今回は、大人のターンアウト改善編で、大人からバレエをダンスを始めた方のターンアウトについて紹介していきます。大人の方のターンアウト改善にはあるポイントがあるのです。
【悩み】大人になってバレエを始め、ターンアウトに苦手意識がある
【原因】柔軟性の問題だけでなく、感覚の呼び起こしがうまくできていない
【発見】大人には“体験の記憶”という、ジュニアにはない強みがある
【対処】昔の遊び・身体感覚を呼び覚まし、力の抜け方・引き上げのヒントを掴む
【変化】足を開こうと頑張るより楽にターンアウトでき、身体が軽く感じられる
【提案】ターンアウト改善は筋トレだけでなく、“眠っている感覚”を使うことがカギ
大人のターンアウトについても今までいくつか記事をアップしています。
「課題」や「やりにくさ」や「こうしたい~」は大人もほとんど変わりません。
では何が違うのでしょうか?
大人とジュニアのカラダは違います。
柔軟性だけでなく、動きの反応も違っています。
やっぱり子供と違って大人は…と感じている人がいるとは思いますが、大人バレエ・ダンスの方が持っていて、ジュニアが持っていないものがとても役に立つケースがたくさんあります。
大人が持っていて使った方が「ターンアウト改善」に役立つこととは?
それは、
これまで生きてきた経験すべて
です。
別のダンスやスポーツをしていた人は、その経験がスパイスになってきます。
ダンスをしてこなかった人でも、これまで味わった体感や音色や風景、カラダで感じてきたことは役に立つのです。
40年なら40年分
50年なら50年分
忘れているようで、案外思い出せるものです。
例えば、今の子供は「おしくらまんじゅう」を体験したことがない子もいます。
ジャングルジムや回転系の遊具も危ないからと設置されてなかったり…
10代でカラダ全体で手足を動かす感覚は実はとても大切なのに…なのです。
反対に大人の方は、これらを体験している人がほとんど。踊っていても、いなくても公園で遊んだ経験をお持ちの方がほとんどです。
その感覚を呼び覚ますと、面白いことが起きるのです。
「ふっと、力が抜ける」「引き上げのヒントが感じられる」
これ、ほんとなんですよ。
その例の一つが↑の写真です。
言われたままに足だけ開きつづける、その前にカラダに残っている「体験」「感覚」を呼び覚まして踊りやすいカラダを味わってみませんか?

バレエ・ダンス専門治療院の診方シリーズはこちらから読むことができます。
>>>バレエ・ダンス専門治療院の診方➁ アキレス腱痛の原因は?
>>>バレエ・ダンス専門治療院の診方 ③膝・股関節・腰痛の原因は筋力の低下?
>>>バレエ・ダンス専門治療院の診方④ 硬いハムストリングスの原因とは?
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、「バレエ鍼灸」と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、施術・ターンアウト改善、開脚改善などを展開。
著書:『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
フロアバレエクラス:新宿にて月1回開催中
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▶ Instagram:ballet.ange
本記事は、長年バレエジュニアのターンアウト改善を診てきた筆者が、今一番ホットな大人でバレエ・ダンスを踊る方向けに書いています。カラダを固めずにターンアウトするコツ、筋肉を伸びやすくするコツの他、膝が伸びない、ターンアウトしにくい、脚があがらないなど踊りにくさの原因とその解決法を紹介します。
