コツコツ続けてきた練習が実って、3回目のコンクールで優秀賞の1位をいただけたIさん。新三年生になるジュニアです。
彼女は何をどうがんばったのでしょうか?
バリエーションを一生懸命練習した?
それだけではありませんよ~
今回は、彼女のケースをご紹介します。
コンクールクラスに入りたての頃は、何をどうすればいいのか、一生懸命頑張っているけれどなかなか成果が出ない…
そういうジュニアの方が多いと思います。
コンクールに参加するといっても、ジュニア自身は早くて1年生の終わりから3年生くらいです。
カラダもしっかり出来上がっていないのが普通です。
けれど、踊るのは大人のプロのダンサーが演じるヴァリエーションです。
更に、周りに踊りに慣れた子がいると自分なりにがんばっているのに何がどう違うのか…と頑張る方向性がうまく見つからないことも少なくないです。
まず、お母さんに知っておいてほしいことはこれです。
10歳くらいまでのジュニアの多くにとって、自分のカラダについて理解して動かす=踊るということは難しい
ということです。
一部踊りやすいカラダのタイプはあります。けれど、クラス全員が大人顔負けの開脚前屈やカエルストレッチが完成している訳でもないのと同じことなのです。
では、コンクールクラスで頑張りたい子はどうすればいいのでしょうか?
これまでのコンクール成果はこちらから↓
コンクールのヴァリエーションは、作品の中の一部です。そして土台になっているのは普段の基本レッスンです。
小学1年から3年ではまだ習っていない、でてこないパもコンクールだから踊ることになる。
なので、プロと同じように脚があがったり回ったりがうまくいかなくてもそれは普通のことなのです。
ではどうするか?
ヴァリエーションの振り付けも一つひとつ分解すると、今まで習っているレッスンの内容(アンシェヌマン)のどれかにつながっているのです。
そして、その土台の土台はレッスンの一番最初のポジションに立つ→プリエ→タンジュ、に集約されます。
そしてこの一番最初の段階がうまくはまっていないジュニアは、ほぼ横開脚が苦手です。
なので、バレエジュニアのコンクールサポートでは一番土台の開脚を見直しているのです。
骨盤が立った状態でしっかり脚を開いて前に倒れられる状態は、1番2番ポジションのためにとても重要だからなのです。
Iさんもいつもここからスタートしているのです。
そして彼女の開脚が変わってくるにしたがって、バットマンが上げやすくなる、エシャペ・アティチュードが決まってくるようになったのです。
焦らなくても大丈夫です。
だからこそ、まず土台のカラダづくりを見直してみましょう。
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、「バレエ鍼灸」と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、施術・ターンアウト改善、開脚改善などを展開。
著書:『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
フロアバレエクラス:新宿にて月1回開催中
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▶ Instagram:ballet.ange
本記事では、コンクール成績アップ、留学を希望するジュニアのターンアウト改善を指導してきた筆者が、ターンアウトしにくい原因とその解決法を紹介します。