今日は解剖学コラムの番外編として、「ターンアウト」について書いています。
何故こんなに難しいのか?以外にターンアウトするためのちょっとしたコツもありますから、読んでみてくださいね。
バレエ歴が浅くても、長く踊っていてもやっぱりターンアウトは難しい。
何故こんなに難しいのでしょうか?
ターンアウトは日常の動きにはないものだから
なので、一旦踊るのを休んだりやめたりすると、ターンアウトしにくくなります。
これはダンサーや先生にも起きたりすることなので、生徒の場合大人だろうと子供だろうと同じような状態になります。
一番多いのは、「以前こうやっていたという記憶を頼りに脚の力をつかって一生懸命付け根から回そうとする」
再開組の方は覚えがあるのではないでしょうか?
カラダは面白いもので、以前よくおこなっていた運動や作業を憶えているものです。
例えば水泳、自転車などはその例です。
それは脳の仕組みによるものなんですが、これと同じことをしようとするんです、バレエのレッスンでも。
ところが、これがそう簡単にはうまくいかない。
クロールなら何回かプールを往復すれば思い出すのに、自転車などのって直ぐこげるのになぜバレエの動きはこんなに苦労するのでしょうか?
まさに、ターンアウトとは、日常の運動や作業とは全く別、異質な動きだからなんです。
ターンアウトというと、つけ根から脚が横に開いたイメージがありますが、これは単につけ根から下のパーツの視点でとらえているもの。
実際には、腰から上、胸、肩、首、肘そして頭の位置(ポジション)もターンアウトに関わっています。
ロシア人の先生から「ターンアウト?脚だけじゃない!(カラダ)全部いる!!」と言われたことがあるのですが、どうしても意識は<脚や付け根>に行きがちです。
そしてレッスンでも「付け根から開いて~」と言われるので、どうしても脚や付け根に意識が行きます。
これがちょっとした落とし穴になってしまうのです。
見本を見せている先生方の姿勢は、決して脚だけで開いているのではありません。
首の位置、肩の位置、腕・肘などすべてのカラダの位置が瞬間に「あるべきポジション」にすっと入っている。そのうえで脚が付け根から開いているのです
では何故、そこが見えないのか?
それは脳の仕組みと関係があります。
脳は、一番目につくものに集中するようにできているのです。
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ではどうすればいいのか?
先生の見本を見る時に、足さばきや脚のライン以外も見ること
これがとても大切になります。
これは訓練次第で誰にもできることです。
アンシェヌマンを覚えることも必要なので、慣れるには多少時間はかかりますが、一度足さばきだけではなく「ほかのカラダのポジション」にも目線を送ってみませんか?
沢山発見があるはずです。一度試してみてくださいね。
【院長プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
○毎月一回フロアバレエクラス開催中
カラダが引き上がって脚が軽くなっていきます。一緒に踊ってみましょう~
○トレーニングメニュー【ターンアウトアップ】と【バレエの解剖学】から開脚の本ができました。
『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○踊りやすい、動きやすいカラダについて解剖学の外部講師活動もおこなっています。(活動レポート)