バレエ治療院あんじゅには、バレエ以外にもさまざまなダンスをしている方が来院します。
モダンダンス、ジャズダンス、コンテンポラリーダンス、ソーシャルダンス、そして、チアリーディングもその一つです。
バレエとは違って、チアリーディングは、左軸のハイキックが多く、全員の脚の高さを揃えることが求められます。
そのため、無理にあげようとすることが少なくありません。
練習環境もかなり厳しく、リノがひいてあるスタジオでできることはほとんどなく、会議室を使うこともあったり、週末の練習や実際の試合は、スタジアムの芝生やグランドで行ったりするので、脚への負担もとても大きいのです。
ハイキックや両足を左右にあげるジャンプなど、応援のためにカラダを大きく見せる必要もあるため、練習後脚がガチガチになって筋肉痛になったりすることも少なくないようです。
大腿部=太ももは、骨盤の直ぐ下にあります。
そして骨盤には大臀筋という大きな筋肉がついているので、脚をあげる時どうしてもこの大臀筋に力が入りやすいのです。
もちろん、しっかりターンアウトさせて脚をあげ続けられればいいのですが、練習時間中、何度も繰り返しこのハイキックを続けている間、カラダをコントロールしきれなくなることもあります。
そのため、チアの方は、殿筋から太ももの外側がすごくはってしまう人が少なくありません。
ではどうして殿筋ががガチガチになるのでしょうか?
脚をあげる時に膝を伸ばそうとしすぎるから
あれ?膝は関係ないじゃない?
と思いますね。
実は、殿部の一番大きな筋肉の働きがクセモノなのです。
このイラストは大殿筋を紹介しています。
大殿筋の仕事は脚を後ろに運ぶ、つまり後ろに脚を伸ばすことです。
あれ?
そうですよね?チアダンスのハイキックは後ろではなく前に脚をあげるもの。
なのに腰の後ろの筋肉がガチガチになるの?
そうなんです。
殿筋の筋肉のもう一つの働きがガチガチにさせてしまう
のです。
この大殿筋には、もう一つ働きがあって、それが大腿部の横にある靭帯(長脛靭帯)と一緒に膝を伸ばす、と言う働きがあるのです。
ハイキックは膝は伸びていることが必要なので、膝をぐっと伸ばして脚を高くあげようとする。
そうすると、後ろにある筋肉にぐっと力がはいってガチガチになっていくのです。
ツッパリが殿部だけ、大腿部だけであれば整体でも緩んでくるのですが、大転子周りから腰の上、そして大腿部を越えて膝下までガチガチに固まってしまうと、これは整体では緩みません。
特に大転子は、たくさんの筋肉が関わっているため、ここが硬くなってしまうと、テニスボールでほぐしても逆効果に成ることも。
大殿筋の下には、中殿筋、小殿筋、そして梨状筋、腸脛靭帯や大腿筋膜腸筋など、多層構造になってい深層筋には鍼とお灸でほぐすのが一番効果があります。
殿部がガチガチにになっていると、人によっては腰に強いハリが出るケースもあり、 ぎっくり腰と似たような症状を訴える方もいます。
それだけ、脚と殿部=骨盤とのつながりはしっかりしているのです。
めやすとして、骨盤下の大転子周りが緩んでいるならバレエ整体バレエ整体で調整が可能です。
けれど、仙骨に痛みが出ている、膝下にもハリを感じる状況であれば、バレエ鍼灸の適応になります。
後、一番大切なことは、脚と骨盤を分離して、ターンアウトしてあげることなのですが、シーズン中だとどうしてもあげることばかりに目がいってしまうのですね。
バレエ鍼灸でしっかり治療した後だと、整体でかなり楽にほぐれるようになっていきます。
>>>電話:090-9362-0080
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange