ジャンプは得意。
グランアレグロで気持ちよく飛ぶのが大好き。
いつもと同じようにトンベ・パドブレ・グリッサード・グランジュッテで着地した瞬間、何が起こったのかわからない…
床についた足がグニャッとなって、体が崩れて倒れ込んだ。
そして足が猛烈に痛くなって歩くのも大変になったんです。。。
実際に起こったお話を土台に書いています。
画像検査をした後、ヒビが入っていたことがわかり、しばらく踊りを休むことになったそうです。
その後、踊りに戻ってもプリエで踏みにくい、踊り続けると痛めたところが疼いてくるそうです。
最初にお話を聞いたところで、わかったのは、前々からシンスプリント気味で、スネの前がいつも硬くなっていたそうです。
そう、このようなタイプの方は気をつけてください。
・脚のラインが反りやすい反張膝
・つま先を伸ばすのに力が入りやすい
・後ろ重心にで立ってしまいやすい(膝押し立ち)
そしてジャンプが得意
このタイプの方に起きやすいのがシンスプリントです。
シンスプリントとはどんな症状でしょうか?
膝下のすねの真ん中あたりで輪切りにした状態のイラストです。
膝下の構造は、後ろ側はたくさん筋肉がついているけれど、脛と言われる前側の筋肉は薄いのです。上の図を見ると分かりやすいですね。
と言っても筋肉がないわけじゃない。
イラストで見られるように、筋肉にはそれぞれの区画(番地みないなものです)があります。
その区画が決まっているので、横にはみ出すことができません。
筋肉を使いすぎると硬くなってパンパンになりますよね。
パンパンになっている状態は筋肉の区画の中で圧が高まっている状態になります。高い圧を外に逃がしたくても、区画はしっかり決まっていて外には出られない。
だからさらに圧が高まってガチガチに硬くなる訳です。
筋肉が硬くなっているだけでなく圧が高くなっているので、マッサージしようと触ると痛くて触れない…
このような状態になっていたらそれは、シンスプリント、コンパートメント症候群の可能性が高いと考えられます。
一番大切なことは、しっかり治療すること、です。
圧が高くなって触っても痛い場所は、一般の整体ではなかなか取れません。
バレエ鍼灸でしっかり中の炎症を取ることがポイントです。
次に大切なことは、圧がかかってしまうカラダの仕組みをリセットすること。
・ゆびの力が強いタイプはルルヴェやポイントの修正
・膝押しが強いタイプは重心の修正
ゆびの力が抜けてつま先がしっかり伸びるようになれば、再発の可能性は減ります。
後重心ではなくアーチの上に立てるようになれば、スネがガチガチになることは減ります。
けれど、中途半端な治療で終わって踊ることを続けると、とても嫌な状況に陥ることがあります。
それは、最初に紹介したような骨折です。
シンスプリントで骨折して、そのあと踊りにくくなったと来院する方の多くが、中途半端な治療で済ませて踊り続けているタイプがほとんどです。
実は、ケガの直りには差があります。
筋肉>筋膜>腱・靭帯>骨
です。
骨折が治るには最長で半年。そうならないために大切なのは、しっかり治して修正すること。
スネの前がパンパンの方はできるだけ早く治していきましょう。