膝が痛いというので、レントゲンを撮った所、オスグッド病と診断を受け安静が必要とのことでした。あまりレッスンを休みたくないと娘は話していて、どうすればいいのでしょうか?
というお話しはよく聞きます。
膝への負担が大きいスポーツやダンスの練習中に痛みを感じて画像を撮ると、膝のお皿の下周辺に炎症が見つかり、オスグッドと診断されます。
身長が伸びる成長期に発症することが多いので成長痛とも言われます。
でも、治療で診ていると、身長が伸びただけが原因とは思えないケースが多々あるのです。
ではオスグッドについて見ていきます。
【目次】
早くレッスンに戻りたいバレエジュニア、早く治すために必要なことは?
一般の病院では、痛み止めや湿布、安全のためのサポーターを出されて安静を指示されますが、踊りたい盛りのジュニアは、どうしても早くレッスンに戻りたい。
大切なことは
今ある痛みを取り除くこと
です。湿布は表面だけ、痛み止めは一時的です。バレエ鍼灸でしっかり治療すれば治りは格段に違います。
ジュニアの年齢が低い場合は、鍼も最小限の数にして、筋膜リリースや整体なども入れて太ももの筋肉を緩めていくこともポイント。
ただ痛くなって何ヶ月も我慢していると、炎症が広かったり、膝周りの筋肉がガチガチになって治るのに時間がかかってしまうことがあります。
つまり、ジュニアが膝の痛みを訴えたら早く治療をすることが大切だということです。
お母さまは、レッスン後の様子が違ってるのを見かけたらこまめに聞いてあげてください。
さて、表題について、このオスグッドの痛み、実は身長が伸びる成長期の運動だけが原因ではありません。
確かに、運動量が多くなれば膝への負担が大きくなります。
学生の体育の授業もありますが、体育の時間を入れても、ダンスの練習の時間を合計しても、土日でも、普通のレッスンであれば1日4時間を超えることは少ないのではないでしょうか?
それよりも多い時間は?と考えれば、朝起きてから、学科の授業を受ける、そしてレッスンに行く前にまでの時間の方が(小中学校では)遥かに長いはずです。
よおく診ていると、ほとんどのジュニアが長座で腰が立てられない、更に床に立っている時の姿勢が膝押しや反り腰で腕を後ろにかけてバランスを保っている。
普段の立ち姿勢そのものが膝に負担がかかるように立っている、腰を落として座っている子がほんとうに多いんです。
その状態で日中を過ごしているということは=日中の姿勢でわざわざ太ももに負担をかけている、ということです。
来院したMちゃんは、本来の脚は、両方の踵がつかないX脚。
X脚の場合重心が後ろに行きやすいため、バランスをとるため膝押しをする傾向が見られますが、それはせっかくの良い脚のラインにとっては逆効果です。
左の写真をよくみると膝を押して立っているのが見えます。この状態が続けば、ターンアウト以前に、膝痛を起こしかねません。右が修正した後の立ち姿です。
膝痛の影に膝押し立ちがある
バレエ・ダンスをしているジュニアのオスグッド治療は、痛みをとって筋肉を緩めただけでは終わらないことが少なくありません。
これは痛みが長引いて何回も治療が必要になったジュニアに共通なんですが、立ち方を修正するできるようにサポートすることが必要なのです。
日頃の姿勢は、本人は気づかぬうちに、ついついやっているものなので、その不良姿勢の結果がどうなるか、どうすればいいのかをジュニア本人がつかむことがとっても重要になります。
注意は周りができるけれど、直すのは本人だからです。
どうしても姿勢が崩れる背景には、体幹の力が足りないことがあるので、体幹トレーニングも合わせて処方します。
成長期の膝痛はオスグッドだけではありません。サポーターをしても、リハビリしても長引いている場合は、ご相談ください。
オスグッドの治療は>>>バレエ鍼灸
膝痛治療の後のリハビリは>>>ターンアウトアップ
【院長プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
○毎月一回フロアバレエクラス開催中
カラダが引き上がって脚が軽くなっていきます。一緒に踊ってみましょう~
○トレーニングメニュー【ターンアウトアップ】と【バレエの解剖学】から開脚の本ができました。
『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○踊りやすい、動きやすいカラダについて解剖学の外部講師活動もおこなっています。(活動レポート)