重めのリハーサルが続いたら以前から少し調子がよくなかった脚の張りが強くなってきていて…
股関節から、外ももも膝や足首まで突っ張る感じがあるんです。
予約は来週なので、その前にセルフでできることはありませんか?
と言う連絡がありました。
今回は、急場の不調に対応するセルフケアのアドバイスを紹介します。
このトピックは以前にもあげているので、こちらも参考にしてくださいね。
リハーサルが続くことは=カラダへの負担が増えると言うことです。
プロだろうとジュニアだろうと大人バレエだろうと、それは変わらないのです。
かかった負担は、だいたい自分の弱いところにでてくることが多いです。
そして、リハーサルが続いていること=日々のケアにも時間が割けない、その状態でカラダから「助けて」のサインが出ているのだと思ってください。
ポワントワークで負担がかかっているなら、まずアイシングをしてましょう。
氷水はちょっとと言う冷え性の方は、冷たいシャワーを当ててみるのもありです。
冷えピタくんをつかう手もあります。
それから寝る時のワンポイントアドバイス。
太ももの筋肉は、表側の大腿四頭筋も裏側のハムストリングスもすごく疲れています。
疲れている時は、膝関節と股関節、足首の関節がねじれていることが多く診られます。
なので、膝枕をして寝るのがオススメ。
タオルなどを巻いて少し高さを出したところに膝裏を当てて寝ると(最終的に蹴ってしまうことは多いのですが)股関節と膝関節への負担か減って筋肉に緩みがでます。
横向き寝なら、膝の間にクッションを挟んで寝てみるのがオススメです。
これも、関節への負担が減って筋肉を緩ませてくれます。
日中にオススメなのは、ほっかいろをつかって腰の横を温めておくこと。
特に、踊った後お尻がコル、と言う方は、中殿筋や大腿筋膜張筋がガチガチになりやすい。
これらの筋肉が硬くなると、ターンアウト筋がうまくつかえなくなり、一番つかいたくない大殿筋がパンパンになってきます。
お尻の筋肉が硬くなるとターンアウトしにくくなるので、余計脚に力をいれて回そうとする…
この悪循環が不調につながるので、その前に骨盤の横を温めておくのです。
これは日中だけでなく、夜寝ている時にやってもOK。低温やけどにならないよう小さめのカイロがオススメです。
真夏でも冷房がかかっているので、時々院長もやっています。
突っ張っている太もも外をゆるめるのには、脚をインに入れてオイルマッサージをするのがオススメ。
大腿部外は腸脛靭帯があって太ももの筋肉(外側広筋)と接しています。
靭帯はコラーゲン繊維が主なので、グイグイ押すと余計硬くなりやすい。上下に流すようにさする方が緩みやすいです。
インに入れるのが苦手な人は立て膝でも大丈夫。
イスに座った状態で太もも横を流してあげると太ももの緊張が抜けやすいですよ。
大腿部と骨盤は関節をつくっている=つながっているので、太ももの筋肉に緩みがでてくると股関節も緩んできます。これは寝る時の膝枕と同じです。
こういう時に無理に柔らかくしようとストレッチをかけ過ぎると、そればオーバーストレッチになることがあります。
ストレッチは、表と裏の筋肉のテンション(筋緊張)が同じくらいの時におこなうとより効果がでます。
関節が固まっている時はテンションが同じになってない訳だから、筋緊張をゆるめてあげる方がいい訳です。
擦ることで皮膚の緊張がとれてきます。筋肉は皮膚の下にあるのだから、表の皮膚が緩んだ後なら、ゆるめのストレッチをしてみる、この順番がオススメです。
>>>その他あんじゅオススメのセルフケアアドバイスはこちらにもあります
そしてセルフケアをしても痛みやガチガチがとれない(続く)時は、ちゃんと治療をするのが大事です。
リハーサルは本番が終わるまで続くのだから、次のリハのためにもしっかりセルフケア・治療を取り入れていきましょう。
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長/日本バレエワークアウト協会理事/芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
バレエ鍼灸を2008年にスタート、踊る治療家として施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange