踊るためのセルフケア、皆さんはどうしていますか?「セルフケアって?」
踊ることには一生懸命だけど、自分のカラダは案外ほったらかし、足の皮膚はかさかさ、痛いところがあっても続けてしまう。。。こんな人もいるのでは?
あんじゅで治療を受けた後、「自分では何をすればいいですか?」と聞かれることがあります。自分のカラダに真剣にむけあっているからこそ、次に良いパフォーマンスが生まれるのです。
踊るカラダは楽器と同じ。
楽器は定期的にメンテナンスしないと、ちゃんとした音が出ない。
バレエ・ダンスを踊っていくにもメンテナンスが大切なのです。
膝痛、肉離れ、アキレス腱炎症、股関節痛などバレエ・ダンスのケガが治ってからメンテナンスをする理由、それは、カラダを常に踊るバランスに戻してあげるため、なのです。そして、
疲れがたまっていて、稽古場にいくのもダラダラ…なんて時も、着替えてバーについて音楽がかかると動けてしまう、こんな感じってよくありますよね。
で、踊っているとだんだんエンジンがかかってきて、終わると、ハイ大丈夫、とそのままタイトなスケジュールを続けてしまう。
移動中も音楽聞きながら振りの確認をしたりして、カラダも音楽に合わせて微妙に動いている。そうやって、動けてしまうから案外気づくのが遅くなる。。。直ぐ治療院に行きたくても、スケジュールが詰まっていていけない…治療院の予約が取れないこともあります。そうやって後のばしてしていると、本当のケガになってしまうのです。
だからこそ、日々の終わりに、又レッスンの切れ目にセルフケアをいれていく、これが自分でするメンテナンス、セルフケアです。
この二つが踊り続けるには、大切なポイント。
そしてこのコーナーでは、自宅で自分で出来るセルフケアについて紹介します。
踊っていて、ブチっという音が聞こえた?!!!エエエエ、肉離れ???
踊っていたら足首の周りがもったりしてきた、なんだかグラグラした感じがする、、、
ひょっとして捻挫したの???という時の応急処置です。
チェックポイント
①内出血をみる
まず、ブチっとなった後に内出血が出るか出ないかをみてください。
簡単に言うと、筋肉と腱の境目の組織に傷が生じるのが肉離れ。足首に何本も走っている腱や靱帯に損傷しているのが捻挫。
傷の度合いによって内出血も起こします。その場で内出血が出るケース、だけでなく、いくらか時間が経って出る場合もあります。
チェックポイント
②痛みをみる
痛みにもいろんな種類があります。
ヒリヒリ・・・皮膚や皮下に炎症があるだろうサイン
ズゥン・・・打撲などによって筋肉に炎症が起きているだろうサイン
ズキズキ・・・傷などによって皮下に炎症が起きているだろうサイン
痛みはカラダからのサイン。
炎症はそのままにしておかないことが大切なんです。ちょっとくらい痛いけれど大丈夫とほおっておくと治るのにも時間がかかり、痛いのをかばって動くことで、カラダのラインが崩れ膝痛や腰痛になります。
アイシング注意点
先ず、アイシングには注意点があります。
冷やすのは一回10分程度を目安にしてください。これを2、3回繰り返す。
但し、内出血や痛みなど挫傷がひどい時は、痛みが薄れてくるまで続けます。
大切なのは、揉まないこと。
アイシングの方法(スタジオ・お教室でできること)
①内出血がある場合
●その場で内出血が出たら、足の位置を高いところにあげる。
●氷がなければ、冷たいタオルでも良いのでアイシングをする。
アイシングする場所は、ブチっとなって、青くなっている周りを少し広めに冷やすことがポイントです。
アイシング(その場でできること)
②その場では内出血はでないけれど、ブチっとなったところが痛くて歩けない場合
同様にアイシングを優先しましょう。
●その場で内出血が出たら、足の位置を高いところにあげる。
●氷がなければ、冷たいタオルでも良いのでアイシングをする。
アイシングの方法(帰宅後)
●家に帰ってからもう一度アイシングをする。
●冷湿布か消炎効果のある湿布がなければ、保冷剤の小さいのをタオルに包んで代わりにする。
●脚の下に枕やクッションをいれて高めにして寝る。
翌日にすること
●できるだけ早く整形外科の診察を受けましょう。
肉離れも腓腹筋の奥深くまで挫傷していたり、挫傷の範囲が広いと、歩くことさえ困難になってきます。場合によっては、しばらく松葉杖と言うことも起きます。
レッスン前にはブーティをはいたりするのに、どうしてシューズは裸足ではくの?
ポワントをはいた後にアイシングは効果的。でも寝る前に足が冷たい人はそのままで大丈夫なの?
スポーツ医学では、よく直ぐ冷やしなさいと言います。
けれど冷やすアイシングは、火照るような熱感がある時なのです。
走る蹴る投げるなど大きな関節をつかっておこなうスポーツとロンデジャンブ、フラッペ、など細かい動きが多く、常にアンドゥオールを意識して動くバレエでは、動かす身体の範囲が異なります。
スポーツ医学の常識を当てはめて、肉離れをおこした部位をずっと冷やしで、内出血を起こした例もあるのです。
踊った後、つっぱり感や硬さ、コリを感じたら、加温することが大切です。
バレエの治療学・バレエの解剖学的見地にたった加温のポイント
股関節・・・骨盤の横
ハムストリング・・骨盤の横から後ろ、お尻の下
膝の内側・・太もも前側、膝の上
膝の外側・・太ももの外側の真ん中
ふくらはぎ・・内転筋
アキレス腱・・ふくらはぎ・内転筋
足首・・外くるぶしの上
踊るためのお灸 バレリーナのためのお灸レッスン【入門編】
お灸ってどうすればいいんですか?施術中にもよく質問を受けます。
バレエ鍼灸では鍼だけでなくお灸を多用しています。特に硬くなった筋肉には鍼の前にお灸をするととても効果があるのです。
受けた後とっても楽になっているので、『自分でもやれたらいいのにな~』となりますよね。実はお灸はやり方を理解すればセルフでもできるのです。
そのコツを紹介します。
A どんなお灸をつかえばいいの?
皆さんの中には、おばあさんの背中にお灸をおいた経験がある方もいるかもしれません。本来のお灸は、艾(もぐさ)を小さくひねってつくるものなのですが、これは中級・上級者向け。お灸デビュタントにとって使いやすいのは、台座がついた簡易お灸。
ドラッグストアやネットで手に入れることが出来ます。
B 他に必要なものはあるの?
お灸手にいれましたか?
では、お灸の次に用意したいものがあります。
●灰皿
●火をつける道具(ライター/マッチなど)
そしてあると便利なのが、
●お水を入れた小皿 (花火をする時と同じです。火を使うので万が一の時に備えましょう)
C お灸をしている時に注意することってあるの?
●火を使うので、やけどや火事に注意しましょう
●煙がでるので換気に注意しましょう
お部屋を閉め切ってお灸するとモクモクになってその匂いが洋服についたりします。風を通せば匂いは減りますが、こまめな換気をしておくことがポイント。そして小さな火でも、ぼやの元。お水を置いておきましょう。
D どこにお灸すればいいの?
これが一番のポイントですね。
どこにお灸をするか?のコツを今回3つ紹介します。
1)筋肉におく
例 太ももの筋肉におく・ふくらはぎにおく
2)コリにおく
例 ポワントワークで疲れたスネの前におく
3)ツボにおく
例 足三里や三陰交におく
(1) 筋肉にお灸する
これは一番分かりやすい方法がこれです。
でもどの筋肉に置けばいいの?でうね。そこで、皆さんご存じの筋肉を取り上げます。
太ももの前にある筋肉、大腿四頭筋です。触れてみてみましょう。
脚の中で一番大きな筋肉。ジャンプの時この筋肉が体幹を支えてくれています。アンドゥオールでは使いたく筋肉でも、この筋肉があるから着地できるのです。この大きな筋肉にお灸を置くのが一番分かりやすい方法です。
大腿四頭筋は長くて大きい筋肉なので、いろんな場所に置いて試してみましょう。
(2) コリにお灸する
次にやってみたいのが、これ。コリに置く。こってるのは分かるけれど、そのどこに置けばいいの?これは良くいただく質問の一つ。
分かりやすいのはコリの真ん中に置く、です。
簡単に言うと、コリとは血流が良くない状態のことを指します。
ここにお灸を置くと筋肉が柔らかくなる=血の巡りが良くなっていることなんです。コリはどうやって見つけるの?と聞かれますが、踊っている皆さんなら知らず知らずに分かっているはず。
リハーサル・レッスンの後、ついついふくらはぎをモミモミしたりしてませんか?太ももをゴリゴリしたりしてませんか?その時『あー硬いな・・・』と感じた辺りがおおよその目安です。
(3) ツボにお灸する
最後は、お灸の真骨頂。ツボを利用したお灸の方法。皆さんの中には、足三里や三陰交などのツボを知っている人も少なくありません。
足三里は胃腸のツボ、三陰交は生理痛など女性のツボです。この二つのツボ、よく見るとバレエにも関係ありなんですよ!
足三里は、スネの前にあるので、エシャペやポワントワークの疲れにお役立ち。
三陰交は、ふくらはぎの内側真ん中ほどにあるツボ。後脛骨筋にあるのです。
この筋肉=つま先を伸ばす時に一番使う筋肉なので、ここが緩めばふくらはぎも緩んできます。
どうしても強もみでないと刺激を感じない、というタイプは筋肉ゴリゴリになっているかもしれません。
強くもむことで筋線維は逆につぶされてしまうこともあります。踊っている人にとって大切なのは、適度な筋肉の張りとゆるみです。
レッスンの後に自分でするならオイルトリートメントがオススメ。
オイルは皮膚のすべりをよくしてくれるので、ぎゅうぎゅう押さないで済みます。そしてそこに植物性のエッセンシャルオイルを混ぜるとオイルの効果を取り込むこともできます。
◎状態別、オススメのエッセンシャルオイル
①筋肉の緊張や炎症には ローズマリー・ラベンダー
②脚をすっきりさせたい時には グレープフルーツ
③足のデオドラント効果がほしい時は ティートリ-・ペパーミント
④皮膚のキメを保ちたい時は フランキンセンス
⑤足湯の効果を倍増したい時は ブラックペッパー
◎トリートメント用オイルの作り方
オイル10mlくらい(手のひらのくぼみ一杯分くらい)に一滴で大丈夫です。(アロマ環境協会推奨の分量は1% =2滴)
◎保存用トリートメントオイルの作り方
化粧水用容器(できれば茶色の遮光瓶がオススメです)に、30mlのオイルとエッセンシャルオイル6滴をいれる。
作りおきする場合は2週間~3週間くらいで使いきりましょう。
◎簡単なオイルトリートメントのやり方
ロングヘアーも多いダンサーさんにオススメのヘアケアをご紹介します。
それがシャンプーのあとに【椿油】を使うこと!
髪が長いと毛先がどうしても傷んでくるのが困り物。
パサパサになりがちの毛先だけでなく、髪全体もサラサラにしてくれるのがこの椿油です。ベタベタするのが苦手という感想も聞かれますが、さらさらにするにはコツがあったのです。
それがこちら↓
手のひらに塗ったあと、指の間にも甲にも薄くのばすのがポイントだったのです。
◎椿オイルをつかったヘアケアのやり方
●椿油ほんの少しをまず手のひらに取って塗る
●次に手の甲にも塗る
●最後に手の指の間にも塗る
つまり、ハンドクリームを塗る要領と同じです。
そして
●毛先を両方の手の平で挟んで椿油を塗る
●その後、手ぐしで髪をとかす
すると、毛先が引っかからないので手ぐしがすっと通り、まだ水分の残っている髪なのに引っかかりがどんどん減ってきます。
コツをしっかり解ってから使うのが大切。
その後ドライヤーで乾かして更にびっくり!
サラサラの長髪になりますよ。
踊っている人はロングヘアーの方が少なくありません。日頃のヘアケアに椿油をどうぞ!