膝の痛みには、いろいろなものがありますが、特にバレエジュニアに起きる膝の障害と治療についてご紹介します。
夏休みが明けたらいきなり身長が伸びていた、こういうことがジュニアにはあります。特に10歳から15歳位は背の伸び盛りで、一年で5cmも伸びていたなんてことも。
この時になりやすいのが、オスグッド症候群と言われる膝の痛みです。
・膝のお皿(膝蓋骨)の下あたりが痛い
・ボコッと骨が出っ張ってきた
・膝周りが熱を持っている
・膝を曲げられない
・歩くのもつらくなってきた
などがあります。
何故このようなことが起きるのか、それは、成長期の骨の変化が関係しているのです。
脚の骨の末端は軟骨になっています。
そして、膝に関係する一番大きな筋肉は4つの筋肉の腱を合わせて、膝のお皿を通って、下腿の骨・脛骨の前面に終わります。
成長するということは、脚の骨の軟骨が骨となっていく訳です。
成人にくらべてジュニアの骨は柔らかい。成長したばかりの骨はましてや硬いはずはありません。
踊ったり、スポーツをする際、膝を使わないで行うことなんてできませんよね。
プリエやジャンプなど、バレエで大切とされるステップが成長期の膝への刺激となってしうまう場合があるのです。
身長は伸びた方がいいのですが、膝が痛いと、レッスンどころではなくなってしまいます。これは、男子だけでなく女子にもおきます。
この症状では、痛みを発している腱の炎症を抑えることが最優先です。
バレエ鍼灸で用いる【お灸】の施術が炎症を抑えるのに効果的なのです。更に、オスグットでは、膝に関わる筋肉にも負担がかかり、硬くなっているケースがほとんど。
ここも緩めていくことがポイント。脚の筋肉が柔らかくなれば、膝への負担も軽減されるからです。この両面からの治療で、炎症のある周囲の緊張は収まってきます。
そして、痛みが収まった後に大切なのが、バレエ的に膝を使えるように修正すること。
普通に膝を曲げるようにプリエをしていると、膝蓋腱に掛かる負担は変わりません。
そのため、炎症が繰り返される安いのです。バレエ的に膝を折る、伸ばす感覚を養うことは、痛みを再発させないだけでなく、きちんとしたポジションをキープするためには欠かせません。
レッスン復帰後、痛みや炎症の度合いを診て、治療を加える、もしくは、膝の使い方の修正を行う、この過程を経て、ほとんどのジュニアはいつもスケジュールをこなせるように復帰していけます。
オスグッドによる膝の痛みについては
>>>電話:090-9362-0080
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange