少し遅いけれど、この夏の話。
あんじゅには、夏などの長期休暇の時期に日本に戻ってくるダンサーさんが治療にやってきます。
今年の夏は、アメリカ圏とヨーロッパ圏から戻ってきたダンサーさん。
彼女たちの施術していて感じたことをシェアしますね。
海外で踊っているからって民族は同じ日本人です。
日本人は、どうしてもトルソーの部分(バレエの胴着でおおわれている上半身)が華奢です。これはアジア人全般は同じですが、中でも日本人は薄い人が少なくないです。
でも、留学してバレエ団に入れた、日本からのオーディションでバレエ団に入れたダンサーさんががたくさんいます。
では、何が違うのか?というとこの3だな~ということがあるので参考に紹介しますね。
1関節の可動域がダンサー向きということ
2筋肉がとても柔らかいタイプが多いということ
3施術が終わると戻っていける「カラダの土台」があること
これは確実に違いがあります。股関節だけじゃなく、足首や肩関節も含めて踊りに向いているカラダってあるんだ、ということです。
筋肉がとても柔らかいタイプが多いということ・・・日本人は筋肉が硬いタイプが多いと言われています。パリオペラ座バレエ団のエトワールであるオニール・八菜さんも「脚の筋肉は硬い方」と自分で分析されてます。
けれど、これは同じバレエ団の中で比べるとという基準で、施術しながらやっぱりダンサー向きの筋肉だな、と感じることがよくあります。特に男性ダンサーにはその傾向を感じます。
これがあるからこそ、プロのダンサーとして踊っていける訳ですが、その土台をぐらつかせるのがケガや痛みです。
女性の場合ポワントワークが基本のなので足首に不調がくるとその不調がやがて膝や股関節の不調につながっていきます。
舞台数が多い海外で踊る方の場合、踊る数が多いので負担も大きいです。最初のうちは「カラダの土台」がしっかりしているので、なんとかもってもやがて「カラダの土台」に少しずつ影響が出て、その不調が修正できなくなるとケガになっていくんです。
ケガが筋肉や筋膜のうちは負担は少なくても、腱や靭帯、骨などに負担がくると舞台を休まなければ治らないということになります。
これは、ダンサーさんでなくても同じです。
では、この3つの差から私たちのカラダに生かせるところはあるの?多くの人はこの点が知りたいと思うので紹介しますね。
関節の可動域、これは変更することはできません。なら、どうするか?これがポイントです。
今ある関節の可動域を活かす方向にいくこと。
よくあるのが股関節が鳴る、つけ根がつっぱって痛い、股関節がつまるなど、ターンアウトに必須の股関節の症状。これは、自分の可動域以上に開こうとして、外に外に(これ以上開かない方向に)引っ張っていくことから始まります。
例え45度の一般的な可動域でも、ターンアウトして横に脚をあげることはできます。それも90度以上の高さに。でもその人の開かない方向にひっぱってあげようとすると、カラダは自分を守ろうとしてサインを送るのです。これが痛い・鳴る・つっぱるです。
だから、自分の可動域を知ることはとっても大切なんです。あんじゅで、トレーニングメニューではジュニアでも大人でも一人ひとりの可動域を診ているのは、そこが土台になるからなんです。
筋肉の柔らかさ、は実は変えることができる範囲です。もともと柔らかい人と同じにはならなくても、自分史上一番柔らかいを目指すことができます。
そのためのポイントは、つま先を固めない、膝を固めてプリエをしない、脇をしめようと腕や肩に力を入れないことが大切です。
どの世代でも、びっくりするほどふくらはぎやスネの前の筋肉が硬い人が多いです。それでは自分でやりたいようにつま先も伸びないし、膝も伸びない。
この伸ばしているつもりが実は固めている方向に行っている、この違いに気づくことが解決策になります。
これはあんじゅのバレエ整体がおすすめ。
バレエ教師YさんやMさんから「まるでフェルデンクライスみたいですね~」と言われたことのあるバレエ治療院のバレエ整体は、眠っている筋肉をおこしてつやいやすくなるような内容になっているからです。
力を入れて足のゆびを握っていると余計フルフルの筋肉と逆の方向にいってしまいます。力が抜けた脚の感覚を味わってみたい方はこちらがおススメですよ。
そして最後、戻っていける「カラダの土台」これは何かというと。
戻っていける「カラダの土台」・・・これは=基礎の訓練ではないですよ。もちろん基礎の訓練がしっかりしているからバレエ団で踊れるんですが、参考になるのはこれ。カラダの土台=体幹、ということ。
この記事でも紹介しましたが、「体幹」と聞くと、トーンダウンする人は少なくないです。クラスの先生から「背中はよくなった後はお腹よ」と言われたジュニアも「最初はうーーーん」という顔になってます。
そのくらい「体幹=大切」だけど…になっているのは分かってますが、あえてお話しています~
こんな目的がある人はぜひカラダの土台を見直すのがおすすめです。
次の舞台でヴァリエーションをきれいに踊りたい
ピルエット3回転目指したい
アラベスク今よりもっと90度以上あげたい
こう思っているなら、小手先のことをやる前に「カラダの土台」をつくりましょう。体幹つくるのはめんどくさい。プランクやっているし!!
プランク3分できてても、前にあげた脚がインに入ってくるならそれは体幹が足りてない証拠なんです。なら、見直してみるのがおすすめ。
踏ん張るプランクではなくてカラダを芯から支えるプランクは大きな違いがあります。なので、少しずつでいいから、自分のカラダにあう体幹トレを続けていくと、あなたの踊りを支えてくれる「カラダの土台」になっていきます。
体幹大事ってずっといい続けていたら「自分に合うのを教えてください~」とM・Mさんがやってきました。 次回は彼女の例を紹介しようと考えています。
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【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、「バレエ鍼灸」と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、施術・ターンアウト改善、開脚改善などを展開。
著書:『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
フロアバレエクラス:新宿にて月1回開催中