足首が痛いといって来院するダンサーさんの中には、一年以上痛みを抱えている人もいます。
ッスンやリハーサルを休めない、休みたくないなどの事情は解かりますが、レッスンをしていても痛みが消えない場合は、やはり治療をいれることが大切です。
Kさんも一年抱えた痛みの末に来院した方です。
痛いと感じる場所以外に炎症がひろがってしまう
痛みを感じるのは足首だといいますが、実際に炎症が出ているのは、長伸筋腱と伸筋支帯です。そして長趾伸筋が伸びている甲にも炎症が出ていました。
皮下にある炎症は湿布を張ってもなかなか治りにくいため、プリエをするたびにかばってレッスンをするようになっていきます。
痛みをかばうことで他の部位が硬くなってくる
そのため、Kさんも膝下の筋肉がガチガチになっていて、それで一層足首に負担がかかりやすくなってしまっていたのです。
下部にある症状は、かばって踊り続けることで、足首から膝、そして股関節や腰などに影響を及ぼすこともあります。
彼の場合は、まだ若いこともあり、大きな範囲には広がっていませんでしたが、一年も痛みを抱えているのはもったいないです。
炎症がある部分は施灸でしっかり治療した後は痛みがなくなります。加えて重要なのは、膝下の筋肉をしっかり緩めること。
痛みを抱えて踊ってきたため、膝と足首にねじれが出ていました。腰から下のバランスを整えて、フレックスとポワントが楽にできるようになることは、=捻じれが減ってきていることです。
図にあるように、膝下の筋肉の殆どが足首の内側、外側を通ってゆびや足裏に向かっています。
足裏が柔らかく使えなくなると、プリエの調子が悪くなり、膝や股関節に負担もかかりやすくなる。冷房が入って、中と外の気温差が出てくるこの時期は、ふくらはぎの肉離れの危険も出てきます。
小さな痛みでも、大丈夫とほっておかないこと、これも踊りを続けるためには大切です。
足首が痛い時の治療は↓
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange