背中を大きく反らせて回ったり、種具、シューズをキャッチする技。
後ろ手持ち、スコーピオン、レイバックスピンの習得に大切なものとは何でしょうか?
一番大切なことはこれです。
背骨を守りながら習得すること
たくさん反らせたい生徒たちの気持ちは分かります。
けれど10代の骨はまだ未完成なんです。
成長過程の骨は柔らかい。けれど骨折となるとその影響があとに残るのは大人と変わらないのです。
背中を反らせるのは単に後ろに倒れればできる訳ではありません。
頭と胴体と骨盤の位置をしっかり保ちながら、前と後ろの筋肉でしっかり支えるからこそ完成するのです。
そう、前と後ろとは腹筋と背筋です。
そして反らせたカラダを支える脚と腕の位置も大切で、ある程度の筋肉量も必要です。
特に利き手ではない左腕に弱さがあるとカラダをキープすることが難しく、腰や背中がズレてしまいやすい。
結果、脚が真後ろに上げられないので、脚の位置ばかり気にして腰をひねって直す方向に行きかねません。
床に伏せて、また立って背中を反らせる練習を続けたからといって完成に至らないケースをたくさん診ています。
頭から腰までの体幹、その姿勢をまっすぐにキープできる姿勢を育てること
これが大切なんです。
まず土台の姿勢を完成しましょう。
まず横開脚でしっかり骨盤が立つこと。その次ぎに縦開脚で腰が割れないこと。
この二つがしっかりできるようになれば「後ろ手持ち」「スコーピオン」「レイバックスピン」は完成していきます。
練習して技を習得するには時間はある程度かかります。
その間「腰が重い、首が痛い」という言葉が生徒や子供の口から出てきたら大人は(つまり先生やご父兄は)、すでに疲労がたまっていると考えて、適切な治療を勧めることが大切です。
背骨を守るために痛みがあるなら適切な治療をすること
痛みの元が筋肉や靭帯であるうちは、10代の回復力は素早いです。
痛みがとれて、姿勢が安定すれば技はできるようになっていきます。
子供たちからのサインを見逃さないこと、ここに注意を払ってください。
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【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、「バレエ鍼灸」と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、施術・ターンアウト改善、開脚改善などを展開。
著書:『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
フロアバレエクラス:新宿にて月1回開催中
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▶ Instagram:ballet.ange
本記事では、著書『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』の筆者が、骨盤を立てるエクササイズと開脚改善のポイントを解説します。