「肉離れ」というと
ハムストリングス以外にふくらはぎがありますが、バレエ治療の臨床歴から共通する点があると診ていて、それを挙げてみます。
それは
◯ジャンプが好き・得意なタイプ
◯どちらかと言うと背は高めではない
◯足指の力が強いタイプ
◯膝から下のラインがもう少しスッキリすればいいのに、、という悩みを抱えているタイプ
◯ふくらはぎのコリコリとした部分がとれにくいタイプ
このどれかが当てはまる方にふくらはぎの肉離れが多いのです。
ふくらはぎの構造はどうなっているかというと、表にみえる腓腹筋の下にひらめ筋があり、これらは膝下を曲げる働きがあります。一方バレエでは、膝を伸ばすことが大切。とするとここはあまりつかいたくない。けれど、ルルヴェやでバランスをとっている時、ポワントで踊っている時にここに負荷をかけやすいんです。バレエとふくらはぎの関係はちょっとややこしいです。
もっと言うと、膝押しして立つクセがついてしまうと、ポジションに立っている時もこのふくらはぎをつかいすぎるようになります。ルルヴェアップを繰り返していると、パンパンになってしまう。。。
そういう日々を繰り返していたある日、ジャンプの着地や蹴りでブチっとなることが発生します。
直接の原因は、休息が取れていない中でのリハーサル、レッスン続きだったり、ジャンプやフエッテの練習の繰り返しおこなっていたりなどがあります。
そういう時、膝下・ふくらはぎがガチガチになっていて、膝の曲げ伸ばしがぎくしゃくしている。そこに気づけないためブチっと肉離れを起こしてしまうのです。
肉離れを起こしている時、カラダには炎症と血流障害が起きています。
炎症は、皮下にあるので湿布だけでは取り切れないことがほとんど。施灸による治療が大きな効果を発揮します。
また、挫傷している周りの筋肉、骨盤周囲筋は、血流不足でガチガチになっていることがほどんど。これには鍼+温熱効果で緩めていくことがポイントです。
投稿者プロフィール
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市川淑宥子(ようこ)バレエ治療院あんじゅ院長
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一般社団法人日本バレエワークアウト協会理事
バレエ解剖学講師/バー・アスティエ講師
2008年にこれまでになかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をバレエ鍼灸と命名、バレエ治療院あんじゅを四ッ谷にオープン。以来、国内外のダンサーの治療に当たる。
2013年NPO法人バー・アスティエ協会の講師資格を取得、2014年以降バレエの解剖学運動学に基づいたトレーニングメニューやフロアバレエクラスをスタート。
2019年『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』を出版し、バレエ・ダンス・表現スポーツに欠かせない開脚エクササイズを紹介している。