今年10周年となったバレエ鍼灸、長年治療していると、どの程度のケガでどの位の刺激量(=ドーセ)が要るかが大体判るのですが、時々、あれ?と思うことがあります。
簡単に言うと、カラダの組織自体が元気だと治りも早いということ、です。
10代より20代、20代30代よりは、40代の方が、カラダの治癒力や回復力は落ちていきます。これは年齢による変化であり、自然の流れでもあります。
けれど、同じ10代、20代で反応が違うことがあります。又、同じクライアントさんでも以前と反応が違う、ということがあります。
何が原因かと探ってみると、その原因が《冷え》であることが判りました。
カラダの柔らかいダンサーさんは比較的体温が高い人が多いのですが、中には、末端に冷えをかかえている人もいます。
又、成長期である10代は大抵体温は高いはずなのですが、触れてみると驚くほど冷たい子もいます。特に気温の下がる冬ではことさらです。
鍼灸治療は血流改善に大変効果のある治療手段ですが、血流自体の力が弱い場合には、治癒に多少の時間がかかってしまいます。
特に10代20代は体重コントロールに悩まされて、食事を極端に制限したりするケースも少なくありません。
けれど、成長段階で必要な栄養素が入ってこないと、カラダ自体がきちんと作られなくなり、骨や筋肉が弱くなってケガをしやすくなることになりかねない。
20代は成長期は終わって一番活発に動ける時期。その時に必要な栄養素がないと、成長したカラダの組織から必要な栄養素を取り崩して、結果、同じように骨や筋肉が弱くなってしまいます。
冷えの原因は栄養不足だけでもなく、カラダを固めて踊るくせをつけてしまうことからも起きます。
力をいれて踊りつづけていると筋肉自体が硬くなり、結果、血管を圧迫し血流が悪くなります。
結果を出したいと、一生懸命なあまり、カラダを酷使すると最終的にケガにもなりまねません。
バレエ、ダンスにとってカラダは楽器そのもの。どのように動かすか踊るかのコントロール以外に、栄養管理も大切です。
・10代のジュニアはご家庭での栄養管理と睡眠管理が大切
・20代以降のダンサーは日頃の体調管理に体温測定をとりいれてみる
健康でいると、今の自分の体温がどの位か知っているダンサーは実はとっても少ない。
特に女性はホルモンの関係で低温期と高温期が分かれます。どの位の体温差が出るのか、サイクルはどの程度か、知っていることはとても大切。
今は便利なアプリもあるけれど、ホルモンのサイクルは環境の変化やストレスの影響を受けて変化することも多々あります。
自分のカラダに責任をもってコントロールする、それがとても大切です。
************************
・10代20代にオススメ
生姜 生の生姜をスライスして紅茶やホットミルクに入れるととても温まります。
・30代のオススメ
鉄分 隠れ貧血がある人も少なくありません。生理によって失われる血液があるため女性には貧血が少なくありません。
レバーやほうれん草など鉄分の多い食材をとるのもありですが、このドリンクで手軽に一日分の鉄分を補給できるものがたくさん出ていますよ。
・40代以降
豆乳 女性ホルモンのバランスが変化していく年齢は豆乳に含まれるイソフラボンがオススメです。
冷え対策など、セルフケアについてはこちらをご覧ください。
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange