さて、今年も前半が終わり、後半の7月が始まっています。
取り上げたい様々な症例はあるのですが、やはり気になるのは、基本のきである、姿勢になってしまいます。
足首のケガ、三角骨の痛み、膝痛、股関節痛、座骨神経痛、などいろいろなケガや痛みの陰には姿勢の崩れが潜んでいるのです。
そして、そういうケースでは、脊柱に必ずと言っていいいほど、側弯がでている。
多くの方は、元々側弯を持っていないんです。けれど故障を抱えている人に側弯がでているケースがとても多い。
これも、実は姿勢の崩れが原因。
特に胸椎は肩甲骨ととても密接につながっているので、腕と体幹のバランスが崩れてしまうと、上半身のスクエアが崩れ、背中の上のラインがずれてきます。
バランスが崩れたカラダで踊っていると、結局自分の弱い部分に負担がかかることになります。
それが、ケガという結末につながってしまう。
カラダや感覚の鋭い一流のダンサーだと、つまっているラインをほぐしたり、炎症のでている部位を治療すると、元から備えている、養ってきたラインを修正する力にリセットがかかり、踊れるラインに戻っていけるのですが、これが、訓練途中のジュニアの場合だったり、しばらく踊りから離れていて再開した状況だと、踊りのラインに戻る力が弱いため再びケガを起こしたり、なかなかアンドゥオールに近づけない、ということになるのです。
先月も沢山のジュニアがトレーニングメニュー【ターンアウトアップ】を受けに来たのですが、やはり姿勢が一番大事なんだと改めて感じさせてくれる典型例のようなことがありました。
ターンアウトに悩んでいるジュニア(小学三年生)が一回のトレーニングメの後、見事に開いた5番を作れるようになったのです。
これは正直、私にも驚きだったのですが、その秘密は彼女の姿勢にありました。
それもバレエの姿勢ではありせん。
普通に立っているその姿
です。
ターンアウト改善に来るジュニアは沢山いるのですが、ほとんどの子がキチンと立てていません。例えば、、、、、、
○背中が反って腕で背中を支えて立っている
○どちらかの肩が下がって、または頭部が傾いて立っている
○足を開いて立っているけれど、上半身はフラフラしている
○立っているとお腹がポコんとでてしまう
このような状態で立っている=上半身の支えが足りない、つまり体幹がしっかりしていない(スクエアが崩れている)、ということなのですが、そこに気づけていないため、踏ん張って5番にしめようとするのです。
耳から肩、股関節、膝、そして足部、これらを通るラインが真っ直ぐになるように立てさえすれば、今のジュニアのカラダはひと世代前のジュニアよりもずっと開きやすい骨格をしているのに、安定していない姿勢でわざわざ開けない結果を招いているのです。
そこに気づいてほしいため、いろいろなエクササイズをするのですが、どうしても基本のきの姿勢が崩れているため、成果がでるのに時間がかかってしまう。
大切なのは、開いて立つことではなく、どの関節にも力を入れず、真っ直ぐなラインですっと立つこと、なのですが、その土台は足を揃えて立つクセをつけることにあると言っていいでしょう。
これは、45度×2で、足を軽くクロスさせて、二本の脚で立ちましょうというコラムを書いた内容と同じことです。
それを自ら率先して日常の姿勢としてやっていたMちゃんは、どこに気をつけて足を運んだらいいのかのヒントを伝えてトライアンドエラーを繰返した後、いつの間にか一番やりたかった【キチンと重ねられた5番】を習得していました。
彼女の耳元で『これは誰かの教わったの?お母さん?バレエの先生?』と聞いてみたのですが、驚いたことに、誰かに聞いたのではなく自ら足を揃えて立つのをやっていたのだそうです。Mちゃん、ブラボー!です。
こういう感覚を持っているお子さんは、ほとんどのケースで比較的簡単にアンドゥオールが改善されていきます。
平面的な日本人の骨格でバレエの生まれた国の民族が備えている立体的な骨格に基づくアンドゥオールを習得するには、日頃の姿勢をかえていくことが本当に重要なのです。
お子さんのバレエの悩みを解決したいと思っていらっしゃるご父兄は、是非、日頃の姿勢を整えていく行動を促してあげてほしいです。
トレーニングではいくらでもアドバイスはできますが、実際にやるのは本人しかいないのです。毎日の生活で姿勢を整えていく行動がジュニアのアンドゥオールを育てていくんだと痛感しました。
ジュニアのアンドゥオールについて、姿勢について、の悩みは、トレーニングメニューターンアウトアップで受け付けています。
>>>電話:090-9362-0080