伸びた膝にしたいからとギュウギュウおして立っていても、ちっともバレエのラインには近づけませんよ。
膝押しして立たないこと
これがとっても大切なのです。
ちょっと難しいのですが、骨にはこのような性質があるのです。ウォルフの法則と言います。
『正常にせよ、異常にせよ、骨はそれに加わる力に抵抗するのに最も適した構造を発達させる』というものです。
骨(こつ)組織は、コラーゲンと(リン酸)カルシウムで構成されていて、構造上、鉄筋コンクリートに似たような強い力を発揮します。
重力による刺激が通常である場合、骨組織は維持されて、適切な力が加わらない場合、骨萎縮が起こります。そして、強い外力などの刺激が加わることで、骨細胞が生理的に活性化されて増殖し、かけられた外力に対して最も適した骨の形と構造になっていくのです。
ダンサーさんの足のおやゆび(母趾・第1趾)が長年の訓練の結果、太くなるのは知られていますよね。そのことを説明するのがこのウォルフの法則。
ダンサーや先生方の姿勢が一般の人とは大きく違うのは、長年の訓練があればこそ。
そして、注意したいのは、あの膝や甲になりたいからと、間違った方向に力をかけ続けると、結果元に戻らなくなるどころが、全く踊れなくなる骨になる可能性もある、と言うことです。
特に気をつけたい、多く診られるのが膝押し。
1番、5番で立つことは日常生活では全く必要のない動きです。
そのため、このポジションをつくるため足の指に力をいれ、膝を押し踏ん張っていることがとてもとても多い。
ターンアウトアップを受けにくるバレエジュニアのほとんどにこの状態が診られます。
この様な状態だと、本来その子が持っている股関節の可動域が活かされないのです。
特に膝押しをしてしまうと、足首の両方のくるぶしと下腿の骨の始まりのつながりが外れてしまい。一見5番にはいっているようで全然踏めていない、結果、テクニックが身につかない、と言うことになってしまいます。
ジュニアについて取り上げていますが、この膝押しはほとんどの大人の方にも当てはまっています。
膝が伸びない方はまず膝押しをしていないかチェックしてみましょう。
膝をしっかり伸ばすエクササイズについてはこちらからどうぞ
>>>電話:090-9362-0080
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、「バレエ鍼灸」と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、施術・ターンアウト改善、開脚改善などを展開。
著書:『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
フロアバレエクラス:新宿にて月1回開催中
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▶ Instagram:ballet.ange
本記事では、コンクール成績アップ、留学を希望するジュニアのターンアウト改善を指導してきた筆者が、ターンアウトしにくい原因とその解決法を紹介します。