成長期でカラダが一気に大人仕様になってくるのが中学生の時期。
中1のSちゃんの足指ようやくここまで直ってきました!
その過程を少しご紹介します。
【目次】
ゆび丸め、ハンマートゥでは床を踏めないその理由を簡単にご紹介
ハンマートゥをどのように直していくのか?修正していけるのか?
一番多く見られるのは、左上のようなあしゆびです。
『床を踏みましょう』『つま先をもっと伸ばして』
と指摘されるので3,4歳の頃からあしゆびにギュッと力を入れるクセがついてしまいます。
足のゆびを丸める、と言う動作は反射の一種になります。(母親にしがみつく様子を想像ください)
そのため、大人だけでなく子供も握る力は結構強いのです。
そのクセをずっとつけたままバレエやダンスを続けると…
シューズの中でゆびが伸びない足になってしまいます。
ここで重要なポイントが1つあります。
本人としてはゆびを伸ばしている感覚になっている、と言う点です。
あんじゅでは、基本エクササイズをするときにはシューズではなくタイツでおこなうので、このゆび丸めを発見しやすいのです
けれど、例え施術者・トレーナーが「ゆびが丸まっているよ」と指摘しても、なかなか改善されないのです。
その理由はSちゃんの発言がよく表しています。
『つま先を伸ばすのにゆびに力をいれないでどうやって伸ばすんですか?』
これです。
確かにゆびに力をいれてギュッと引っ張っているとつま先が伸びたように感じますが…
この写真を見るとどうでしょうか?
手の指先はどちらが伸びていますか?
右のような指先で、床(この場合は白い紙)を押すことはできるでしょうか?
これと同じことをその場で見せると、それぞれのジュニアは頭では理解します。
ハッとした顔をして『あ、、違ったんだ』と気づきます。
頭で理解する、この段階がファーストステップ。
その次が、手のゆびで違うのだと分かったことを、足のゆびでできるようにすること、です。
これがとても難しいのです。
鍵のようなつま先を改善していくには、それぞれのカラダの個性も関わってきます。
ゆびを丸めて力を入れて立つ、つま先を伸ばすクセがついていると開脚やスプリッツが完成されません。
なので、先に骨盤を立たせて、開脚やスプリッツができる様にするとすんなりゆびの力が抜ける、と言うタイプがいます。
このタイプのジュニアは基本的な姿勢が安定しています。
そう、結局頭の下に肩・その下に胴体、骨盤、脚部・足部、と言う姿勢になりやすいカラダをつくっていくことが大切だということです。
トレーニングは、筋力が足りないタイプには筋トレを入れます。
カラダのコントロールが苦手なタイプは、リズム運動のような拍子をとらせて動くことにトライしたりします。
ジュニアにたいして、あんじゅで基本的におこなっていないことは3つあります。
です。
特によく知られている上2つのエクササイズは、自分のカラダをある程度理解している必要があるからです。
ゴムの力に力いっぱい抵抗して伸ばすやたくさんギャザーをいれれば良いんだ、と続けると、逆にハンマートゥをつくりやすいのもこの2つのエクササイズなのです。
プロフェッショナルダンサーにはこの問題は起きにくいので、クラスや動画などで紹介されていますが、カラダができていない子供(又踊りになれていない大人の方)がやると逆効果になりかねないからです。
では、頭では分かってはいても、どうしても足先まで意識が届きにくく、長年のゆびを曲げるクセがなかなかとれないタイプのジュニアには、どうするか?ですが、
などして、一人ひとりがこれなんだ、とカラダで理解できるようにいろんなアクティビティーをおこなっています。
その結果が上で紹介した伸びた足指とつま先なのです。
床を踏んで立つと言うことは、教えられている以上に難しい内容です。
何故なら運動だけではない、感覚神経によるコントロールが必要。
そして、足のゆびがカラダに指令を送る脳から一番遠い、ことも関係しています。
ゆびを丸める、力を入れる=ほぼ運動神経だけでおこなっているになります。
運動神経全開のカラダで感覚神経を呼び起こすのは、実はとても難しく、大人も苦労する。ならジュニアだとなおさらです。
できるだけ早い段階で、このゆびを丸めないでつま先を伸ばす、が身につけば、難しいテクニックも習得することができるし、アキレス腱痛や三角骨障害・有痛性外脛骨などのケガを防ぐこともできます。
このつま先・指先の修正は、バレエだけではありません。
チアダンスやシンクロ、新体操のジュニアも心配になるくらい曲がった指をしているタイプが隠れています。
できるだけ早い段階でゆびを伸ばしてあげること、これは本当に大切なことです。
ここまでは、ジュニア(10代までの子供)について紹介してきました。
ただ、現在ではこの「つま先伸ばし」「甲出し」とハンマートゥの問題は、子供だけの問題ではなくなっています。
大人でバレエやダンスを始める、再開する人が増えてきているということ、そして30年40年と踊り続けている人がたくさんいる今、大人にもこのゆびの修正・改善が必要になってきてます。
長くなってきたので、ここでは結論だけ先に紹介します。
成人したカラダである大人(20歳以上)でも、つま先は伸びるのか?甲は出るようになるのか?
の答えは、
意外に思うかもしれませんが、
その理由と根拠はこの後の症例ケースで紹介していきますね。
バレエジュニア、アーティスティックスポーツジュニアの甲出し、つま先伸ばしに悩んだら
>>>ターンアウトアップ へどうぞ
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange