踊り続けたい!をサポートする治療院|フロアバレエ指導歴9年の院長がケガや痛み苦手を解消していきます|東京・代々木・バレエ治療院あんじゅ
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マスク生活と姿勢の関係 開脚やターンアウトへの影響を分析

新しい生活様式でかかせないマスク。このマスク生活が、子供だけでなく大人、プロフェッショナルにも大きな影響を与えています。

影響を受けているのは何かと言うと、

頸椎のライン

です!

マスク1枚たいした重さはないと思いがちですが、マスクは顔面の下半分をずっと覆っているし耳にかけているため拘束感があります。
かく言う私もその一人。

花粉アレルギーの人は慣れていても、多くの人は今までなかったものがずっと顔面にのっている状態がもう10ヵ月近く続いている、その結果ついついあごを下に落とすことになっています。

来院する人を診ていて何かが以前と違う??と気づいたのがアップした写真です。

ジュニアは特にカラダの比率的に頭部が重いので、余計に下を向きやすい傾向がありますが、あごの落下は全ての世代のクライアントさんに診られているのです。

今回は、新しい生活様式がもたらした姿勢の崩れについて書いていきます。

◆首の骨と頭の関係

◆現在よく診られる現象とその結果

◆うつむきがちな姿勢を修正する方法

マスクと姿勢の関係 開脚ターンアウトへの影響 バレエ治療院あんじゅ

首の骨と頭の関係

普段はあまり気にとめない頭。

カラダの一番上にあってカラダを動かしてくれる司令塔でもあります。小学生の頭でも4キロ、成人すると平均8〜10%の重さがあるので案外重い。この頭を支えているのが首の骨(頸椎)です。

その頭部を支えるために、首の骨はゆるやかに前のカーブになっている、これが解剖学に基本とされています。なので、図鑑やイラストを見ると前にカーブしている骨格で描かれています。

人の背骨は首の骨から始まり胸の骨(胸椎)、腰の骨(腰椎)そして骨盤に挟まれている仙骨と尾骨でできていますが、この背骨全体でゆるやかなS字カーブを保つことで、頭や体幹を支えているのです。

背骨のライン バレエ治療院あんじゅ

ゆるやかに前にカーブすることで頭の重さを支えている首の骨、このカーブが変わってしまったら???どうなるでしょう。

現在よく診られる現象とその結果

よく耳にするストレートネック以外に、もう一つよく聞くのがスマホ首。

便利なスマホが歪みをつくる、開脚改善、バレエ治療院あんじゅ

ジュニアに少なくないのがこれ!

歪みを残す残念な姿勢、開脚改善、バレエ治療院あんじゅ

こんな状態になっている人、身近にいませんか?
気づいたら自分がそうなっていたという時もありますね。(汗)

目は前にあるし、物はほとんど前方にあるので、ついつい頭をニョキッと突き出してしまいやすい。この状態、本当に危ないです。

この縦長のイラストを見てみてください。

てこの要領で計算してみると、頭の位置が10センチ前にずれただけで3倍の負担が増えるのです。これ結構びっくりですよね。

頭の位置で腰椎にかかる負担が増える バレエ治療院あんじゅ

数センチのズレただけで負担が大きくなってしまうとしたら、腰から下にある脚にも負担がかかることになります。つまりそれだけ脚の足の力が必要になってしまう。

「小学校3,4年生の時は脚は軽くあがったのに、中学高校になると重くて大変、ディヴェロペやキックをがんばっていたら脚が太くなってきた…」はジュニア達の大きな悩みの一つなのですが、脚だけで踊るクセの背景に背骨のラインが深く関わっています。

首の長さはそこそこ長いけれど、肩がもりあがっている(肩の外筋、僧帽筋が発達しすぎている状態が診られます)とか、首は長いのに頭が安定しないなど、踊っている本人は、回転がうまくいかない理由をターンアウトのせいにしていて、顎が落ちていたり頭が横にずれているのに気づいていないケースを多々診てきました。

その結果、足で踊って脚があがらない、脚であげるので足と脚が太くなるのです。

この辺りの解剖は、『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』第4章の解剖学のパートで解説していますが、バレエ・ダンス、チアダンス、新体操、フィギュアスケート、シンクロなどパフォーミングアーツでは背骨のコントロールがとても大切。

特に気になるのは、そして修正が大切なのが、首の骨のラインが少し後ろ気味みになっているタイプです。これは、理想である前のカーブと真逆なだけでなく、骨盤を立たせなくする要因にもなります。

長座で腰が立たない人はこの首のカーブをチェックする必要もあります。

うつむきがちな姿勢を修正する方法

一般的には首の骨は前カーブとは言われていても、日本人にかなり多いストレートネックにスマホ首。

お教室の先生から下を向かない、と言われるので自分でも分かってはいて直そうとしている、けれど毎日ややうつむいて生活しているとなかなかスイッチが入りづらい。上を向こうとするとあごがあがってしまって…というなんてことも。

と言うのも、毎日の生活では、机やお皿、ペンやキーボードは全てカラダの前にあるので、ついつい前≒下を向きやすい環境があるからなんです。本当に日常生活は、姿勢にとっては危険がいっぱい、とも言えます。

その首のラインをコントロールして、緩やかな前のカーブをキープしやすくなるコツを今回ご紹介します。

言葉よりもイラストの方が分かりやすいと今回は絵でご紹介します。

マスク生活で下を向きがちな姿勢を直す バレエ治療院あんじゅ
マスク生活で下を向きがちな姿勢を直す バレエ治療院あんじゅ

バレリーナは、胸鎖乳突筋がよく発達しています。頭の位置が中間位であることは、重心をコントロールするためには大切だからです。

でも、この筋肉、下を向いてばかりいるとおやすみ状態になってしまうんです。頭が左右に少しずれている人にもどちらかの筋肉がおやすみ状態になっていたりします。あごを少しあげてみると、え?よく見えない・・・・・?な人はおやすみ状態になっている可能性があります。

でも大丈夫。しっかり意識してつかうことで筋肉は思い出していくので、左右ちゃんと揃って働いてくれるようになります。どうしても下を向きがちな生活だからこそ、時々思い出して、頭の位置を修正しましょう。そうすることで、上↑の写真のように後ろにカーブしていた首のラインが戻っていきます。

先月末、舞台でPDDを踊ったダンサーさんにもこの傾向がありました。イラストのように修正したのですが『このところずっと首から肩のラインが気になってたんですが、今伸びてます~』とスッキリしたバレリーナネックラインになりました。

簡単にできるので、思い出した時にやってみましょう。首のラインが戻ると、開脚もスプリッツも変わります。そして長座も楽になるのです。

頭と首の関係が、開脚に関係している解剖学の話は↓下の本に載っていますよ~

骨盤が立てばあなたの開脚は変わる バレエ治療院あんじゅ

【著者プロフィール】

市川淑宥子(ようこ)

バレエ治療院あんじゅ院長

○毎月一回フロアバレエクラス開催中

カラダが引き上がって脚が軽くなっていきます。一緒に踊ってみましょう~

○トレーニングメニュー【ターンアウトアップ】と【バレエの解剖学】から開脚の本ができました。
『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』

○踊りやすい、動きやすいカラダについて解剖学の外部講師活動もおこなっています。(活動レポート)