膝は脚のほぼ真ん中にあって、いつも曲げ伸ばしされている関節です。
この膝の構造を解剖していきます。
それが分かると、こんなことが分かってきます。
・膝痛が起きる原因
・膝を外に(斜めに)向けたいのにうまくいかない理由
・プリエで膝が泳ぐ理由
◆目次◆
膝関節回りを分類すると
分類すると大腿骨と同様、膝下の骨、脛骨は長骨です。
脛骨 長骨
です。
では、膝蓋骨は?
膝蓋骨は、扁平骨
関節について言うと、解剖学書でも分かれていて、大腿骨・脛骨のみと解説する本と大腿骨・脛骨・膝蓋骨を含めている本があります。
膝の関節の動き・運動は曲げて伸ばすです。実際の角度はというと
膝関節の主な動き 膝の曲げ伸ばし
曲がる角度 130~140度
伸ばす角度 0度
そして、膝が曲がる時に、膝蓋骨(膝のお皿)は滑るように移動します。
なので、曲げる動きを中心に考えると大腿骨と脛骨(スネの骨)、膝を曲げる時に動く膝蓋骨の動きも入れて考えると大腿骨・脛骨+大腿骨・膝蓋骨を含める、となります。
ここまでは、さらっと読んでもらって大丈夫です。
そして膝の曲げ伸ばしだけでなく、回旋する運動については、膝裏の構造を見ないと進みません。
その膝の後ろはこんな作りです。
太ももの骨(大腿骨)の末端は左右に膨らんでいます。
イラスト左が骨、上が大腿骨で下の太い骨が脛骨、その横の細い骨が腓骨です。
大腿骨の後ろ側はすべすべした作りになっていて、この面が膝下の骨(脛骨)の2つのくぼみの上を転がるようになっています。
この転がる運動をおこすのが、まず、脚の後ろ側にある筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)。
更に、太もも(大腿)を斜めに走る筋肉(縫工筋)や後ろの内側にある筋肉(半腱様筋・半膜様筋・薄筋)も膝下(下腿)を曲げる働きがあります。
※左が大腿部後面内側の筋肉(半腱様筋・半膜様筋・薄筋)、右が大腿部前の縫工筋です。
膝が曲がるという運動は、下にあるかかとが上にある大腿骨の膨らみに近づくことで、その運動を起こす筋肉は主に裏側になります。
前側(膝蓋骨)と後ろ側(大腿骨)の滑るような骨の構造と、後ろ側の筋肉が働くことで起きる
この構造で膝が曲がるのです。
膝というと、前ばかり考えがちですが、膝はうしろ側も大切というのはこの構造があるからです。
そして、ここからはちょっと細かくなります。
解剖学的に言うと、膝が曲がっている時に回旋運動が起きます。
膝が曲がる構造が回旋運動が起きる
のです。
膝関節は、伸展と屈曲運動(伸ばすと曲げる)が可能である。また、膝関節屈曲位(膝が曲がってい状態)では回旋運動もできる。
人体解剖学ハンドブック 西村書店
と書かれています。
なあんだ、やっぱり膝は外を向くのね、と思った方がいると思います。
この回旋と書かれているのは、こまか~く言うと膝ではなく、膝関節をつくっている下腿(膝下)を外側と内側に回旋させる、ということです。
回旋運動は2種類 内旋と外旋
そして、膝の前に膝蓋骨や太ももの一番大きな筋肉(大腿四頭筋)には膝を回旋させる動きはありません。
では、膝関節は、何故内側に回るのか、外側に回るのか?
それは太もも裏側(大腿裏)を走る筋肉が膝下(下腿)の内側や外側に停止する構造があるから、です。
つまり、膝の運動は前だけ見ていても足りない、という訳です。
この回旋運動は、後少し取りあげますね。
膝関節の解剖学コラム
この他、大腿骨の解剖学はこちら