このコラムは、踊りやパフォーマンスに関係する解剖学のことを紹介しています。
膝というとどうしても前、または後ろ膝のことだと考えています。
ただ、内側も外側も膝の一部になります。
膝関節は膝下(下腿)の脛骨(脛の内側の骨)と大腿骨(膝蓋骨を入れることもあり)で構成される関節のことを指します。
そして、運動は曲げると伸ばす(屈曲と伸展)
詳しくはこちらのコラム ↓
でも、膝下=下腿(スネ)の運動に関しては、外側と内側の構造を知っておくことはとても大切になります。
この構造を知るとこんなことが分かるからです
プリエで膝が外(横)に向く仕組み
です。そしてこれが分かるとこんなことも分かります。
プリエで膝痛がおきやすい原因
膝痛のコラムはこちら
膝は大きな関節の一つなので、解剖学的に紹介するのに多少文字量が必要なので、いくつか分けて掲載します。
今回の目次はこちら
◇目次◇
膝の外側と内側の構造(図)
先に3Dアトラスを参考に膝の側面をピックアップしました。
イラスト右が脛骨
イラスト左が脛骨
と言います。
前からのイラストはこちらです。
そして、内側にある脛骨の上はワイングラスの底部を逆にしたように広がっています。
その内側は凹んでいます。
脛骨の外側に腓骨が接しています。
膝が自由に動かせるよう内側も外側も靭帯や腱でしっかり守られています。
もちろん前側も同じです。
大腿骨と脛骨の間に、膝のクッション役をしている半月板がはいっています。
青く見えるのは、水の入った袋(滑液包)です。
3Dのいいところは、側面も正面にして見られることで、見てみると内側も外側もたくさんの筋肉が走っているのが分かります。
これが膝の曲げ伸ばし以外の動き(運動)に関係しているのです。
膝の回旋運動を知るにはこの構造を見ておくのがポイントになります。
次のコラムでは、膝の内側外側の構造から、プリエで膝が外(横)に向く仕組みを解剖学的に分解していきますね。
次回は
プリエを解剖学的に分解してみる
です。
>>>踊るカラダの解剖学 膝 Ⅰ 膝の前の構造はどうなっているの?
>>>踊るカラダの解剖学 膝 Ⅱ 膝の運動は膝裏の構造と関係あり
>>>踊るカラダの解剖学 膝 Ⅲ 膝の内側と外側の世界を知ろう
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange