アキレス腱が痛くなった、ふくらはぎが肉離れになったなど、足のケガはなかなか減りません。
特に舞台や大会のためのリハーサルや練習が始まって、踊る量が一気に増えるのに比例してケガを起こすケースも増えてきます。
そして、ケガを抱えて来院する人に共通していることがあるんです。
なんでしょうか?
年齢ではありません。
バレエやダンスの経験歴でもありません。
ヴァリエーションやアダジオを踊るとか踊らないということでもありません。
ではいったいなんでしょうか?
それは
骨盤を立てていられない
ということです。
そして、骨盤が立てられていない人は、ほぼ100%開脚やスプリッツ、後ろ手持ちやスパイラルが苦手なんですね。
なんだ、また骨盤を立てようという話なのね…と思った方もいるかもしれません。
でもその続きがあるので、最後まで読んでみてくださいね。
最初は、施術に入る前にケガの状態を確認します。
又、施術途中で姿勢を替えてもらうことがあります。
その時、ベッドの上で長座になることがあるのですが、ほぼ100%の人が腰が落ちて座ってている。
リラックスしている状態だという可能性もあるので、腰をサポートするのですが、全然立たない…
ということは、
ケガになる人の確立として、腰が立たないことは大いに関係がある
ということになります。
考えてみれば分かりやすいですよね。
骨盤と脚(太ももの大腿部)は股関節でつながっています。
上にある骨盤のプレースメントがタックインやダック(後傾や前傾)になっていれば、その下にある大腿部や更にその下の膝下の位置もずれてきてしまいます。
更に共通していることがもう一つあるんです。
それはなんでしょうか?
このコラムでいつも取りあげる膝押しでしょうか
違います。
それはつま先の状態です。
足の指をギュッと握っている
ベッドで長座している足先が固まっているのです。
長座だけではありません。
仰向けでいる姿勢の足指がギュッと固まっているのもよく診られます。
ほぼ100%とまではいきませんが、かなりの確立で診られます。
ということは、
足の指を丸めて固めるクセ
これがケガになる要因につながっていると言えます。
・アキレス腱痛
・膝痛
・ふくらはぎ肉離れ
・開脚やスプリッツが苦手
・脚があがらない
・膝が伸びない
痛みや苦手がある人は、案外この「足の指を固めるクセ」を直すことが解決方法になると言えますね。
解剖学のコラムでは、股関節の可動域について取りあげています。
可動域はあるのにターンアウトしにくい背景にも、同じ「足の指を固めるクセ」が隠れています。
ということで、足の指をなんとかしよう、という視点でしばらく書いていこうかと原稿をつくっています~
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange