バレエ・ダンスでは、大きな関節周囲にケガや不調が集中します。
それは、スポーツも同様で、新体操やフィギュアスケートでも、股関節、腰部、膝、足首のケガは多く、野球やテニスの投手では肘の関節、サッカーでは膝関節を痛めるというのはニュースでもよく聞くことです。
・腰部
・骨盤周囲
・膝関節周囲
・足首周囲
競技選手やプロの選手は、試合が続きそのための練習量も格段に多いので、定期的にメンテナンスも行っていますが、実際の試合やゲームでは予測不可能な状況も起きたりするので、どうしてもケガのリスクは高くなります
バレエやダンスの場合も、プロの方は定期的なメンテナンスを受けていたり、セルフケアをすることでケガが少ない方もいますが、パートナリングの必要なPDDのリハが多かったり、コンテンポラリーダンスの振り付けが床とのコンタクトが多いものだったりすると、やはり関節にかかる負担も増えるので、ケガになる可能性も高くなります。
又、まだ、ポワントを履きなれていないジュニアの場合、体重の軽さから引き上げをせずにトゥ立ちをしてしまい、結果、アキレス腱及びアキレス腱周囲のケガにつなる要因になってしまうことがとても多く診られます。
アキレス腱周囲に痛みが出ている時、大切なのは、
痛みを我慢しないこと
です。アイジングや炎症を抑える湿布やジェルなどでなるべく早く対処すること。そして、ふくらはぎの過緊張を緩めることも大切です。
アキレス腱痛を抱える人に多く診られるのが、足の指の力でつま先を伸ばそうとすること。
これは、多くのジュニアに診られますが、子供の頃から長く続けて踊ってきている大人の方にも大変多く診られます。
特に長く踊っている分、クセも染みついているため修正がとても大変です。アキレス腱を縮めてつま先を伸ばすクセがある場合は、要注意です。
どんなに炎症を取り除いても、その後のレッスンやリハーサルでアキレス腱を縮めて踊っていたら、治るものも治りません。
特に、甲側の指の腱が発達し過ぎて指が反り返ってしまいやすいタイプは、痛みがなかったとしても見直してみることがオススメです。
簡単なチェック方法をご紹介しましょう。
椅子ルルヴェ
です。
1)両足の裏が床につく高さのイスに座ります
2)そして、片足ずつルルベをしてみます
3)ルルベをしている脚の後ろを抱えて、持ち上げてみましょう
※分かりやすいのは周りの誰か他の人にお願いするのが一番ですが、自分一人でもチェックできます。
【結果判定の方法】
ルルヴェをしている脚を持ち上げて
A簡単に床から離れてしまう…きちんと床を踏めていないルルベ
B脚をもっても床からルルヴェ足が持ち上がらない…きちんと床を踏めているルルヴェ
となります。
床が踏めていないルルベの状態でレッスンをしている場合、多くのケースでアキレス腱をつめたり、ポワントボックスにのっかったり、膝に力を入れて立つ膝立ちである可能性が高いです。
アキレス腱痛、ポワントの悩みを抱えている方は、なるべく早く修正をしていきましょう。
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、「バレエ鍼灸」と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、施術・ターンアウト改善、開脚改善などを展開。
著書:『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
フロアバレエクラス:新宿にて月1回開催中
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▶ Instagram:ballet.ange
本記事では、コンクール成績アップ、留学を希望するジュニアのターンアウト改善を指導してきた筆者が、ターンアウトしにくい原因とその解決法を紹介します。