膝痛については、こちらのコラムでこれまで紹介しています。
今回は、痛みのピークが終わったあと、どう踊りに戻っていくかについて、バレエリハビリ、ダンスリハビリを含めてご紹介します。
膝が痛い時は曲げることが難しいので、痛くならないように膝になるべく負担をかけないような歩き方などをします。
これが後々影響するのです。
痛くなくなってきたのに、膝を深く曲げられない、しっかり伸ばせない…
何がおきているのでしょうか?
膝を曲げ伸ばしする筋肉の神経回路や動きのスムースさを調整する神経回路がお休みしている
のです。
膝周りの構造は、このようになっています。
膝の前に、大腿四頭筋という股関節を曲げるけれど、膝については伸ばす筋肉があります。
膝の裏には、ハムストリングスという股関節を伸ばすけれど、膝について言えば、膝を曲げる筋肉があります。
膝にかかわる筋肉は、その上に股関節があるため、上に書いたように膝を股関節で正反対の運動を担って言いる訳です。
この正反対の運動をする筋肉が膝に関わっているということ、それをうまく調整する神経回路がお休みしている、これが膝痛が長引く時に厄介な状態をもたらす原因になるんです。
膝を曲げると痛いので、中途半端な曲げ方を続けていると股関節もうまく折りたたんだり伸ばしたりすることがやりにくくなる。
踊りでいうと、プリエやパッセ、ジャンプの着地でうまく膝を使えないという事態になります。
なので、膝が痛くで水が溜まっている状態だからその水を抜けば楽に踊りに戻れるかと思っていたらそんなことはなかった…となるのです。
なので、バレエ治療にあんじゅでは、腫れがある膝だけでなく太ももの前・後ろの筋肉、骨盤周り、場合によっては膝下にも治療を入れていきます。
次は、腫れている膝が治っていく過程をお伝えしますね。
さて、膝痛は早く治療をスタートすれば、それだけ早く踊りに戻っていける典型の1つ。
二ヶ月、三ヶ月経ってからだと余計に時間がかかってしまいます。
今ある痛み、水を抜いてるのに変わらない、という方はバレエ鍼灸でしっかり治しましょう。
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange