バレエのレッスンでよくおこなわれる、フレックスポワントのエクササイズ。
たいていは、長座でおこないますね。この時の姿勢に気がついたことありますか?
バレエジュニアでも、長く踊っている方でも
そしてそのことに気づいていないのです。
『うーんとそれじゃちょっとちがうと思うよ』と言うと、ほとんどの人がつま先の伸ばし方が違っていると捕らえているのですね^^;
なので
腰に手を当てて持ち上げようとすると途端に、
になるのです。
来院する方々は昨日今日バレエを始めた人ではありません。3,4歳から習い始めているジュニア、大人の方でも10年20年踊っている方が多いのです。
それでどうして、長座で脚を伸ばして座れないのか???
バレエ鍼灸で施術を始めた初期の頃からの疑問でした。それでもコンクールに出る、ヴァリエーションを踊っているのです。これは、先日書いたように、骨盤を立てた開脚ができていなくても踊ることはできるに当たります。
でも、ほとんどの方が、密かにいろいろ悩んでいるのです。
ジャンプの踏切で肉離れをおこしたのはどうしてなのかしら?
ようやくポワントをはき始めたのに、どうしても膝が伸びないのは何故なの?
ディヴェロペで膝を抱えるところまではいくのに、それ以上脚があがらないのはどうすればいいの?
だんだん太ももが太くなってきた気がするんだけれど、バレエでどうして太くなるのかしら?
そうです。バレエのお悩みあるあるの根底には、腰を立てていられないというカラダの状態が潜んでいます。バレエは通常バーレッスンからスタートするので(ストレッチ時間があるクラスもありますが)、立った状態でおこないます。この立った状態で始まるが故に、
そして、かなり早い段階で(下手をすると小学2年とか小学3年)片手バーのレッスンが始まります。幾ら幼稚園から始めていても、成長過程にあってまだ体幹そのものがしっかりしていないジュニアが、片手バーで上半身をしっかりキープできるかというと疑問です。
もちろんそういうお子さんがいるのは分かります。それはカラダの個性で、上半身のスクエアが安定してのびのび踊っている小3・小4を動画サイトで見かけますから。でも大半の生徒さんはそうではありません。
事実、あんじゅのトレーニングメニュー【ターンアウトアップ】を受けに来る小学生の体幹は、ほとんどがグラグラ・ぐにゃぐにゃだからです。そして、そのままカラダを固めて踊り続けた結果…
・肩が盛り上がったようなライン
・乗馬服のように横に張った脚のライン
・反り腰でお尻が出っぱったようなライン
で密かな悩みを抱え続けるのです。
そして更にその後どうなっていくか?と言うと、
筋肉が強いタイプは、上に挙げたように脚が太くなる、お尻が大きくなる、肩周りが器械体操の選手のようにたくましくなります。そして、筋肉が強くないタイプ、比較的線が細いタイプは
・有痛性外脛骨になる
・O脚が加速する
・股関節痛をおこす
・アキレス腱痛に悩まされる
・三角骨ができて痛みをずっと抱える
そういう例をいままで沢山診てきました。
治療だけでは足りない、ターンアウトが苦手、プリエが浅いと悩む根底には、どの姿勢でも腰を立てていられないと言う状態があるのだと気づいたからこそ、フロアバレエの勉強をすることにしたのです。
トレーニングメニュー【ターンアウトアップ】はそういう経緯で始まったのです。
長座はバレエではあんまり必要ないから、やらなくてもいい…そう思いますか?
今、世界的にコロナウィルス感染拡大で踊れないカンパニーダンサーやプロフェッショナルダンサー達が山のように動画をアップしていますが、座っている姿はどうなっていますか?
トレーニング動画を見る時、驚くほどの柔軟性や伸びたつま先、ぐっとせり出した甲ばかりに注目しないで、彼女達のすくっと立った座り姿をしっかりチェックしてください。決して骨盤を後ろにひいた状態では座っていませんよね。
そういうところもしっかり見ると、本当に参考になる教材になってくれます。
現在は、お稽古から離れざる得ない状況だからこそ、骨盤を立てていられるシンプルだけど大切な部分をクリアしていきましょうよ。その姿勢は、あなたの踊りたいにつながっていくのです(^^)