座りっぱなしからくる不調を解消しようと、メディアでも一時間ごとに立って歩く、などいろいろ掲載していますね。
それはいい傾向です。踊らない人にとってもこの事態はとてもキツイです。ましてや、ずっと踊ってきた私達にとっては本当にもどかしい状況。これまで積み上げてきたものを失ってしまいそうで、慌ててお家でバーレッスンする人も増えるはずです。
それはぜひ続けていきましょう。
そして、それに加えてほしいのが中殿筋のエクササイズです。
では、なぜこの中殿筋が必要なのか、見ていきましょう。
【Contents】
あこがれのアラベスクラインにも中殿筋は大切なのです。
答えは骨盤の横、大殿筋の下にあります。そう、お尻のメインの筋肉、大殿筋に一部隠れているのです。
中殿筋は、骨盤の横・腸骨のくぼみを斜めに走っています。
そしてその上にはあの”大殿筋”がいるのです。
ではなぜこの中殿筋が大切かというと
1つ目はこれ。
からです。
ターンアウト・股関節の外旋度を決定づけるのは、ROM(レンジオブモーション)関節の可動域です。それは股関節の穴の向きや深さや形などが関係しており、その人の骨格である程度決まってくるのです。
これを書くと文章だけ読んで、そうじゃあ、もう脚は開かないのね、、、と思ってしまう人がいるかもしれないのであまり書いてはきませんでした。
ただ、忘れてほしくないのは、
股関節の外旋度は、ターンアウトは同じではない、ということです。
ターンアウト、フランス語ではアンドゥオール、これは形ではなく、ポジションでもなく、ムーブメントなのです。そして、股関節の可動域だけではなく、カラダすべての関節とムーブメントが関わっています。
中殿筋は、大腿部を外転(=パラレル状態で外に出す働き)させる役割があります。
バレエでいうと、グランプリエやスゴンディヴェロペで脚を横に出すときには、ターンアウトに関係する筋肉は当然働いていますが、同時に中殿筋もしっかり働いていないと皆さんが望む真横に近いグランスゴンにはならないのです。冒頭の画像のようにアラベスクをキープするのにも中殿筋の働きは必要です。
けれどこの筋肉、女子は男性と比べると弱いのです。そのためパッセをする時、スゴンに脚を上げる時代わりに使われてしまうのが、あの
大殿筋です。
皆さんが大きくしたくないこの筋肉は、抗重力筋としてしっかり働いてくれていれば、さほど固くなったり大きく出っ張ったりしないのですが、脚をパッセにするときにスゴンに出すときに中殿筋がしっかり支えとなってくれてないと、この大殿筋が大活躍してしまうのです。。。。。
中殿筋が大切な理由の2つ目は
のです。
筋トレになる姿勢と逆に退化させてしまう姿勢があるということです。
試しに、椅子に骨盤を立てて座ってみましょう。
そして骨盤のやや手前横、に手を縦に当ててみてください。その時に触っている筋肉が中殿筋です。骨盤がしっかり立っているなら、縦方向に筋肉が触れられるはずです。
次に、その手を当てたまま、骨盤を後ろに引いて背中を丸めてみましょう。どうですか?骨盤が後ろにひかれた途端、さっきまで触れていた筋肉がすっと消えるのが感じられると思います。
これは、同じ椅子に座るという状態でも姿勢一つで、筋肉がおやすみしてしまうといういい例です。
この状態がずっと続くとどうなるか?それは、中殿筋より上層にある大殿筋にスイッチが入りやすい環境をつくってしまうということになります。
そして、骨盤を立てて長座できないタイプの人は、この中殿筋の作用が弱くなっている可能性が考えられます。(もちろんそれだけが理由ではありません)
3,4歳からずっとバレエを習っているのに、長座が苦手なジュニアが沢山います。
そして、踊りを長くつづけているのに長座で骨盤が立てられない人は山のようにいます。その方たちがレッスンもない今、座りっぱなしが増えたらどうなるか???それがとても心配なのです。
この中殿筋は、ちょっと嬉しい特徴があります。
それは、
それがどうして特徴になるのか?ですが。。。大きな筋肉はトレーニングで負荷をかける時にある程度の時間をおいておこなうことが大切になります。
つまり
ということは、つまり、こまめに筋トレしても疲れにくいということ。しかも、今はお家にいることが増えている。
ならなら、この事態は中殿筋をトレーニングできる絶好の機会、骨盤を立てておける状態にするには誠に都合のいい時期に早変わりする訳です。
このピンチがチャンスになるんですよ。私も毎日、デスクワークの途中でやっています。皆さんも一緒に頑張りましょう~