『ヤバイ…』
ターンアウトアップを受けたTさんの口から出た言葉が『ヤバイ』でした。
今までやっていたスプリッツを修正して、改めてやってもらった時に最初に出たのですが、その日はその『ヤバイ』の連続になりました。
何がヤバイの?と聞いてみると『痛くない』『伸びる』のだそう。
彼女はもともとモダンをやっていたジュニアで、比較的上半身の筋肉がしっかりしているタイプです。
ただクラシックに移行すると、今までやったことのないカラダの使い方もあり、やりたいのにやりにくくなってしまったそうです。
モダンや新体操、フィギュアは、バレエ以上に全身を使うので、ある程度は運動神経よりで動くことができるのですが、ことクラシックバレエは、運動神経よりで踊るとやれないことが出てきてしまうのです。
年齢もまだカラダの変わる前で、移行するのにいい時期だったこともあり、今までやったいたストレッチよりも楽に伸びる感覚をつかんでくれたようです。
その後、ポジションの修正に移ったのですが、踏める感覚が変わってきたようで、またまた『ヤバイ』が口から出てきましたよ。
お母さまからもその後ご連絡をいただき、レッスンがより楽しくなっていったそうで本当によかった。
『今までなんとなく理解していたつもりでも、うまく動けないと悩んでいた事が、市川先生のおかげで身体で理解することが出来たようで、ストレッチも楽に出来るし、バレエの先生が言う上半身引き上げの意味がわかった!!とバレエレッスンを受けた娘が大興奮していました。』
ターンアウトアップでおこなっていることは、とてもシンプルなことで、ほとんどが姿勢の補正です。
そのポイントは、バレエの解剖学です。カラダが柔らかいほんの3、4歳の頃から習ってきても、成長するにつれて、ふんばっていることは少なくありません。
そのふんばりが続いていくと、脚が太くなったり、筋肉が強くなく細身のタイプだとケガになっていくことが多くなります。
そうならないためのポイントは
上半身をのスクエアをキープさせること
ここを意識してもらうために、骨を中心に支えやすい箇所を伝えています。
カラダの感覚を変えていくには、早ければ早いほどいいのですが、小学生低学年などあまり小さすぎると、理解が追いつかないケースもあります。
高校生になると、カラダはほとんど大人と変わらなくなっているため、本人の意識がとても重要なポイントになってきます。
でも、写真の彼女のようにコツコツ2年がんばってカナダ留学を勝ち得たジュニアもいるのです。
モダンからバレエに移行して、日々悩んでいるジュニアは、一度ご相談ください。
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、「バレエ鍼灸」と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、施術・ターンアウト改善、開脚改善などを展開。
著書:『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
フロアバレエクラス:新宿にて月1回開催中
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▶ Instagram:ballet.ange
本記事では、コンクール成績アップ、留学を希望するジュニアのターンアウト改善を指導してきた筆者が、ターンアウトしにくい原因とその解決法を紹介します。