2023年5月20日、東京青山のスタジオにて日本バレエワークアウト協会のインストラクター更新研修に参加、解剖学講座を担当しました。
ニューヨークシティバレエ団の元芸術監督であったピーター・マーティンスが考案したバレエワークアウトを日本に紹介、導入しているのが、日本バレエワークアウト協会です。名称は、ニューヨークスタイルバレエワークアウトになりましたが、内容は、このビデオで見られるエクササイズそのままです。
このプログラムの面白いところは、3つ
・バーをつかわないでフロアエクササイズをすること
・ダンサーやダンス経験者でなくても取り組みやすいようにと、間に筋トレパートが入っていること
・振り付けパートが最初から組み込まれていること
です。
今は大人でも普通にヴァリエーションを踊る時代になっていますが、このワークアウトは最初から60分のエクササイズの中に踊りのパートが入っているんです。
今年のデモンストレーションクラスは、「ジゼル」でした。
途中、フロアバーとほぼ同じの筋トレパートが入っているので、カラダづくりにもなるところがよく考えられていると思います。
あんじゅはインストラクターさんが受ける研修において解剖学のパートを担当しています。
担当させていただいて10年間で取り上げた内容は様々です。
筋肉や骨についてはもちろん、呼吸のしくみについて、又年齢学とダンス人口について取り上げた年もあります。
現在ではチェアバレエエクササイズのインストラクターさんも研修を受けることもあり、今年のテーマは「立つ座る姿勢」
普段何気なくおこなっている二つの姿勢を解剖学的に運動学的に解説しました。
エクササイズでは姿勢を安定させた状態で立つ、座るが必要になってきます。
そのために大切なことは
重心と重心線を揃えた姿勢になること
人体解剖学ハンドブックでは「緊張直立姿勢」と解説されている姿勢は、ダンスで必要なアーチに重心が落ちている姿勢と重なります。
座った姿勢については、「動作分析の基本」という書籍を参考にしましたが、坐骨と足部でつくられるカラダの支持基底面をしっかり保って座るって結構大変です。
立つ、座るも普段の生活では、一人ひとりのカラダの個性やカラダの使い方に左右されるので、理論的に解説される通りの姿勢でいる人はほとんどいないのです。
つまり、普段の立ち方のクセで引っ張られたカラダでエクササイズで求められる姿勢にもっていこうとするのは、実はとても労力がいるということです。
ダンス経験が浅い方によくおきがちな立ち姿はこのことを表しているので、クラスを指導するインストラクターさんは、そのことを理解している必要があります。
解剖学的知識にいては、ネットでいろいろ紹介されていますが、玉石混合という状況でもあります。
本来の解剖学は、西洋医学の視点から人のカラダをパーツに分けて取りあげていますが、ダンスという面ではパーツに分けて考えるだけでは足りません。
院長自身、レッスンを継続する中で「足だけ脚だけではなくカラダ全体で診る視点」が大切と痛感しています。この視点が全てのメニューの土台になっています。
【院長プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
○毎月一回フロアバレエクラス開催中
カラダが引き上がって脚が軽くなっていきます。一緒に踊ってみましょう~
○トレーニングメニュー【ターンアウトアップ】と【バレエの解剖学】から開脚の本ができました。
『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○踊りやすい、動きやすいカラダについて解剖学の外部講師活動もおこなっています。(活動レポート)