踊り続けたい!をサポートする治療院|フロアバレエ指導歴9年の院長がケガや痛み苦手を解消していきます|東京・代々木・バレエ治療院あんじゅ
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ターンアウトの筋肉解剖を解説-可動域に加えて必要なポイント2つ

股関節の可動域が=ターンアウトになる訳ではない

と書きました。

>>>股関節の可動域とターンアウトの関係

そして膝を伸ばした状態でターンアウトをキープするのは、長座していても、仰向けに寝て脚をあげる動きでも難しいということを書きました。

今回はその理由を解説していきますね。

そして、これまで骨中心で紹介してきた解剖学で「筋肉」についてちょっと深掘りしていきます。

外旋6筋と知られている筋肉がありますが今回は、「縫工筋」をメインに「大腿四頭筋」との関係で解説していきますね。



<目次>

ターンアウトには股関節の可動域+αが必要な訳

ターンアウトを改善するポイント2つとは

ターンアウトには股関節の可動域+αが必要な訳とは

その訳はこちらです。

筋肉の働きがあるから

この解剖学コラムで何度も紹介している大腿四頭筋。

この筋肉の働きが関係してるのです。つまり

大腿四頭筋の働きが、ターンアウトを邪魔するような結果をもたらしやすいから。

太ももにある筋肉で一番範囲が広く大きな筋肉は、大腿部(太もも)を外旋させる働きはもっていません

>>>筋肉の働きは骨の始まりと終わりの場所が関係している

筋肉の終わりが始まりに近づくことで運動が起きるのが法則です。

3Dアトラスより

太もも前にある大腿四頭筋は、骨盤の下のある出っぱりから始まって膝のお皿の下にある骨(脛骨粗面)に終わります。

骨盤下の出っぱり(下前腸骨棘)は、上の出っぱり(上前腸骨棘)より内側にあって、お皿の下の位置と比べるとほぼ上と下に並んでいる位置にあります。

つまり縦の運動がメイン

膝と股関節にまたがっているので、膝関節は伸ばす股関節は折りたたむ(←この違いが大事です!)が大腿四頭筋の運動になる訳です。

大腿四頭筋の仕事=膝は伸ばす、股関節は曲げる(伸展・屈曲)

上の出っぱりは縫工筋の始まりですが、縫工筋の終わりは、お皿の下ではなく膝の内側。

内側が外側に近づくために外への回旋運動が起きるので、外旋筋と分類されるのです。

つまり

縫工筋の仕事=太もも(大腿部)を曲げながら外に運び、外旋させる(屈曲・外転・外旋)

足裏を合わせて床の座ったとき、付け根の前にピンと突っ張っている太い腱に触れることができます。

それが大腿四頭筋の腱です。

これが突っ張っているので、膝をグイグイ床につけようと押しても、縫工筋はなかなか働いてくれません。

というのも、4つの筋肉が集まっている大腿四頭筋の腱はスゴク強いからです。

普通に考えたら、足裏あわせで座って膝を押しつけたら床に着きそうですよね。

ところが、太ももを回してくれる縫工筋(外旋筋)よりも、股関節を曲げる(屈曲)大腿四頭筋は4つの筋肉があわっさっているので、太ももを外旋させるよりつけ根を曲げている力の方が強くなるからです。

※膝をぐいぐい押すことで膝の内側や股関節を痛めるので、逆に注意が必要です

更に、4つの腱が合わさっているだけでなく、その位置も関わっています。

下のイラストを見てみましょう。

斜めに走っている筋肉
が縫工筋です

大腿四頭筋の腱は、股関節の穴(股関節窩)のほぼ前・上を通っている

この構造が関係しているのです。

ターンアウト筋である縫工筋は四頭筋よりも細く、骨盤の上の出っぱりから始まっているのがわかりますね。

四つの筋肉が集まっている四頭筋よりもずっと細い筋肉がいくら外旋させようと働いても、骨頭のほぼ直上を通っている筋肉の筋がふんばっていたら回りやすいでしょうか?

しかも付け根が引けてしまう=股関節にはまっている骨頭は奥に入り込んでしまうのでますます回りにくい。

さらに、上半身が引き上がっていない=上半身の重みで関節の隙間が少なくなってしまうのでいくら骨頭が回りやすいボール状だとしても回りやすいでしょうか?

股関節にはまっている骨頭をしっかり回せるようにするには、骨盤のプレースメントが大切と言われる理由はこれです。

後にも前にも倒れていない、左右にもずれていない、上半身が腰に乗っかっていない状態が必要です。

ではターンアウトを改善するポイントはどこにあるんでしょうか?

ターンアウトを改善するポイント2つ

大腿骨の骨頭を回すための筋肉を働かること

が大きなポイントです。

太もも前の大腿四頭筋が緩やかに伸びるように立てれば、太ももを回してくれる縫工筋が働きやすくなります。

つまり外旋筋を働かせて骨頭を回すためには、骨盤をタックインやダック、左右のズレがない状態にしておくことが必要になってくるのです。

繰り返しますが、骨盤の上にあるトルソー(心臓や肺が入っていて頭が乗っている胴体部分)が落ちて骨盤に乗っかっていて背中や腰が丸くなっていたら、下にある骨盤のボール=大腿骨頭は回りやすいでしょうか?

つまりつまり股関節の可動域に加えて大切なことの二つ目は

骨頭が回りやすいように、胴体部分が乗っかっていないこと

になる訳です。

つまり引き上げましょうということです。

だから、骨盤を立たせましょう、上半身のスクウェアをキープして引き上げておくことが大切、それがターンアウトを改善させるポイントです、というのです。

足技が多いバレエですが、脚や足を思うように動かしたかったら上がとっても大事だということ、はやく皆さんに気づいてほしいと思っているのです。

そしてあんじゅは、骨盤を立ててターンアウトするためのサポートをいろいろ用意しています。

その一つはバレエ整体です。

あれこれやってみたけれど、どうしてもうまくいかない時は、筋肉の曲げ伸ばしをリセットしてあげることが大切。これはバレエ整体の得意範囲です。

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