膝は脚のほぼ真ん中にあって、いつも曲げ伸ばしされている関節です。
普段はほとんど意識しないのに、いざ痛くなるとクローズアップされてくるのも膝。
この膝の構造を解剖していきます。
それが分かると、こんなことが分かってきます。
・膝痛が起きる原因
・膝を外に(斜めに)向けたいのにうまくいかない理由
・プリエで膝が泳ぐ理由
膝の真ん中にある膝蓋骨(膝のお皿)については、こちらの記事で紹介していますので、参考にしてください。
では始めます。
上は膝を正面からみたイラストです。
左から骨、筋肉、腱です。真ん中の筋肉のイラストで灰色に書かれているのが右の腱になります。
腱とは筋肉を骨に結びつけてくれているもの(組織)です。
それ以外に水色に見えるものがありますよね。
これが関節包です。膝を守ってくれるショックアブゾーバーの役目があります。
左のイラストを見ると分かるように、大腿骨と脛骨(スネの前の骨)の面が合わさっています。
この間に半月板や十字靭帯などがあります。
そして前面に膝蓋骨(膝のお皿)があります。
解剖学的に言うと、大腿骨と脛骨がつくる関節を膝関節と言い、隣の腓骨は膝関節には含まれません。
膝関節は、大腿骨と脛骨がつくる関節
膝関節は、股関節とおなじように大きな関節になります。
つまり沢山の過重(負荷)がかかっても大丈夫なようにつくられているということです。
見てみると大腿骨の左右は膨らんでいます。
そしてその下の脛骨(スネの骨)も左右に膨らんでいて、前面は三角形になっています。
大腿骨と脛骨の左右に膨らんでいる箇所は、筋肉の始まりや終わりになっていて、沢山の腱も関わっています。
膝周りは、上と下から交差するように筋肉が走っている訳です。だから膝の曲げ伸ばしができる訳です。
膝関節の主な運動は膝の曲げ伸ばし
そしてこの構造で膝を曲げ伸ばしする時にかかる負荷を支えているのです。
膝周りがどうしても固まってくるという背景にあるのは、膝関節に沢山に筋肉が関わっているから、とも言えます。
スクワットなど膝を曲げて伸ばす運動を繰り返すと膝周りが重くなってくるのは、曲げ伸ばしでかかる負荷のほとんどを膝の関節が受け止めているからです。
膝関節は膝の曲げ伸ばしの時にかかる大きな負荷を支えられるような構造になっている
ここで、膝関節の動きは、曲げて伸ばしてだけなの、となりませんか?
そうですよね。
ではプリエやグランプリエで膝が斜め横になるのはどういうことなのか、これについては次の記事で紹介しますね。
※この記事では、医学的にリハビリ的に細かく紹介するのではなく、あくまで踊るため、若しくはパフォーマンスで動くためを目的に書いています。
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
日本バレエワークアウト協会理事
芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
2008年、当時はなかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をスタートさせ、バレエ鍼灸と名付ける。現在も踊りを続ける治療家として、またフロアバレエクラスの講師として、施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange