□どうすれば治るのでしょうか?
○炎症を抑えること
仙腸関節の痛みの原因は炎症なので、痛みを取るためには、これにつきます。
簡易的にできる方法としては
○ロキソニンテープを貼る
○ロキソニン錠剤を飲む
現在は、炎症鎮痛剤のロキソニンが薬剤師のいる薬局で手に入れることができるので、一番最初にできるのはこの方法でしょう。
けれど、このロキソニンでとれるのはできて直ぐの炎症です。
と言うのも、皮下に浸透すると言っても短時間であること、錠剤は痛みのある仙腸関節にできている炎症そのものにダイレクトに利くものではないからです。
この二つで解消される痛みであれば軽傷なので、後はアライメントを見直して、インナーマッスルのトレーニングを強化するなどすれば、訓練されたダンサーなら踊りに戻っていけます。
これは、他のケガでも同じです。
けれど、この方法でも解決せず、痛みが慢性化して一ヶ月以上痛い、また痛みがぶり返す、場合は、他の要因を考える必要があります。
前の記事で仙腸関節に何故痛みがでるのかの理由を書きました。
それは
□ターンアウトの間違い
□オーバーユース
で、
慢性化したり、ぶり返す仙腸関節痛の先はこんな状況が診られます。
○炎症の拡大 仙腸関節以外、骨盤周囲の筋膜にも炎症が出ている
○骨盤周囲の筋肉・腰痛きわの筋肉が硬くなる
です。
痛みをごまかしながら踊ってしまうとカラダのアライメントは崩れていきます。仙腸関節は骨盤のプレースメントに関わってくるので、しっかり踏めない状況で踊る訳です。そのため、かかる負荷を支える他の筋肉に影響が及んでいきます。
片脚で軸のアラベスク・アティチュードやデリエールのカンブレなどで痛いだけだったのが、負荷の少ない床に寝て抱えた脚を伸ばそうとしただけで、腰全体に痛みが走り、仙腸関節がぴりぴりする、と言うクライアントもいました。
ダンサー、教師は休めないため、ほとんどの方が痛みを抱えてそのままやり過ごそうとします。またレッスン生は痛みに無頓着な方も少なくなく、ロキソニンを貼って痛みをごまかしながらレッスンを続けていると言うこともあります。
最初に炎症が出ているだけの時に適切な治療をすれば尾を引かないのですが、下手をすると膝痛を再発させた人もいました。
□バレエ治療院あんじゅの治療
○仙腸関節を含め、炎症のでている部分にお灸と鍼をおこないます
-特にお灸の効果は高く、ロキソニンテープを貼るよりも楽になっていきます。
○仙骨・骨盤・大腿部・腰部を含め筋膜や筋肉が硬くなっている部分を鍼で緩めていきます
-あんじゅでは鍼+血流をアップさせるのに効果大の温熱療法も加え、硬くなっている筋肉を緩めていきます。
○マニュピレーションを加え、スムーズに関節が動かせるように整えていきます
-炎症の度合いにも寄りますが、炎症が収まって筋肉が緩んでくると関節の動きも滑らかになっていきます。
(参考 治療メソッド)
これらの治療は、バレエの解剖学と運動学が土台となっているので、軽傷の場合であれば一回で収まることも少なくありません。ぶり返す仙腸関節痛のケースは、少し様子を診る必要も出てきますが、治療をしっかり受けることで、痛みはなくなり踊りに戻っていけます。
仙腸関節痛の解剖から痛みの分析、治療を診てきました。
大切なのは,最初の痛みを見逃さないこと。そして簡単にできる対処をおこないアライメントを見直すことです。
それでも、治らない痛み(これがかなり多いのですが)は、しっかり治療をおこなうことが大切です。
腰の後ろが痛い、ずっと治らない、それは仙腸関節痛かもしれませn。