かかとが痛くて体重がかけられない状態が二ヶ月ほど前から続いていると来院したのはHさん。
バレエ歴10年以上のジュニアです。
足裏が痛くなった時に多いのが足底腱膜炎。
では、この症状はどんな状態か、またバレエ治療院による治療についてもみていきましょう。
【Contents】
◇痛くなった具体的な場所
◇足裏に痛みがある時に考えられる症状とは
◇バレエ治療院あんじゅでの治療と実際の内容
痛くなった具体的な場所
痛みがあるのはこの場所は、どこかというと
イラストで赤く囲ってある部分。かかとのやや内側寄りの部分でした。
足裏に痛みがある時に考えられる症状とは
◎足底腱膜炎
◎アキレス腱・アキレス腱周囲炎
足裏に痛みがある時に考えられる症状は、第一に足底腱膜炎です。
そしてもう一つ、アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎です。(アキレス腱炎、周囲炎についてはこちらの記事で紹介しています)
アキレス腱が痛い
足の裏でかかとから趾(あしのゆび)に向かって走っている強い腱が足底腱膜。足裏のアーチを保つのに大切です。
二ヶ月ほど痛みを抱えているのに一般の整形外科では休んでくださいと言われるだけ、ということが多い症状でもあります。
と言うのも、足の裏も注射をするのも難しく、マッサージも適さない(逆に痛みが強く感じることもあるから)ことが少なくないからです。
一時は歩くのも辛かったそうですが、現在はレッスンに復帰してい発表会のリハーサルにも参加出来ているとのこと。
バレエ、ダンスにおいて足底はカラダを支える大事なポイント。アーチが下がってしまえば、ジャンプでの着地が安定しないし、柔らかいプリエもしにくくなります。
バレエ治療院あんじゅでの治療と実際の内容
1.痛みがある踵内側をしっかり治療
2.脚の筋肉を緩めていく
3.負担を減らすためのリハビリ
Hさんのケースではこのような治療内容となりました。
一番大切なのは、痛みが強い箇所へのダイレクトな治療です。これにはお灸が高い効果を発揮します。
加えて、足底につながっている脚の筋肉をほぐしていくことが重要です。
足裏だけを診ていても、その原因は違うところから始まっているからです。彼女の場合は、後ろ体重で立ったり歩いたりする癖が診られました。
後ろ体重だとふくらはぎへの負担が大きくなり、結果その状態が続けばレッスンで又痛みが出る可能性があるからです。
このようなケースでは、治療の後、少し簡単なリハビリをおこないます。その後、少し歩いたり、プリエ、ルルベをしてみると、歩くのも辛かった痛みが引いて、しっかりルルベもできるまでに回復。こうなれば、レッスンに復帰できます。
バレエでは床を踏んで、床を押してと言われます。この踏む、押すは、決してその言葉通りの足で押す、足で踏むということではないのですが、カラダのコントロールが上手くいかないとどうしても重心が下に向かってしまいやすいのです。
大切なのは、体幹と腕をしっかりつなげて上半身をキープしつつプリエをすることです。この上半身のスクエアのキープは体幹がまだ柔らかいジュニアには難しい面があるので、この部分はトレーニングメニューである【ターンアウトアップ】でサポートしています。


投稿者プロフィール
-
市川 淑宥子(ようこ)バレエ治療院あんじゅ院長
-
一般社団法人日本バレエワークアウト協会理事
バレエ解剖学講師/バー・アスティエ講師
2008年にこれまでになかったバレエ・ダンスのための鍼灸治療をバレエ鍼灸と命名、バレエ治療院あんじゅを四ッ谷にオープン。以来、国内外のダンサーの治療に当たる。
2013年NPO法人バー・アスティエ協会の講師資格を取得、2014年以降バレエの解剖学運動学に基づいたトレーニングメニューやフロアバレエクラスをスタート。
2019年『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』を出版し、バレエ・ダンス・表現スポーツに欠かせない開脚エクササイズを紹介している。