バレエのレッスン中やレッスン前の柔軟でよくみられるストレッチ。その代表例は、左右開脚、スプリッツ、そしてカエルストレッチではないでしょうか?
幼稚園からずっとバレエのレッスンをしているのだから、柔軟やストレッチは誰でもできる、というのでもなくて、密かに悩んでいる子はいるのです。
その中でもカエルストレッチをみていきましょう。
【目次】
「カエルのストレッチは、やらせない方がいいのですか?」
「カエルのストレッチでお尻を押さえると子供達は痛がるのですが・・・」
カエルのポーズができないジュニアのカラダにはどこかに歪みが潜んでいる、のが特徴です。それは股関節や腰回りだけではありません。
それを診ることが大切です。
カエルが苦手なジュニアに診られる歪み
首
肩
足首と膝の向き
上に挙げましたが、カラダ全体に歪みが潜んでいます。
特に多いのが
◎頭が左右どちらかにわずかだけれど傾いているタイプ
◎肩が前に入ってしまって、仰向けに寝ているとポコンと上がってしまっているタイプ
この2つが多いです。
トレーニングメーニュ【ターンアウトアップ】では、自分のカラダのどこが歪んでいるのかをしっかり意識してもらってから、ゆっくりカエルをやっていくとほとんどのジュニアで脚の角度は改善します。
と言っても17,8歳以上の成長過程の終盤にある年頃で、仙骨の角度が大きいタイプは時間がかかることがあります。けれど、8歳から12歳くらいまでのジュニアでは、よほど股関節の可動域や脊柱に先天性の問題を抱えていない限り、改善の余地があります。これはこれまで診てきた結果で書いています。
クラシックバレエのアンドゥオールは、ポーズではなく「ムーブメント」なので、例えばグリッサードにおいて、どのパの過程でもアンドゥオールであるからパに流れが生まれ、それがバレエ独特の美につながるのです。それがバレエなのです。
けれど、カエルのストレッチはジュニアにとっては、バレエが出来るようになると言う一つの基準のようになっていると感じます。決してこの形ができることがバレエ上達のポイントではないのですが。。。
太ももの主な筋肉「大腿四頭筋」には股関節や大腿をターンアウトさせる働きはないのですが、苦手としているジュニアのほとんどが太ももを持ち上げてカエルのポーズにもってこようとしているのです。
股関節の可動域に問題はなくても、大腿四頭筋だけではターンアウトしません。そして、下から脚をもちあげてくるような状態になるので、肩もあがった状態でカエルになろうとしているのです。
そして何より大切なのは、カエルのストレッチにおいても、バレエ特有のアプロン=引き上げを忘れないことです。
カエルをやらせない方が良いのではないか?と言う見方も最近はあるようですが、バレエの本場・ワガノワバレエ学校では、ジュニアのレッスンで欠かせない姿勢作りの一つになっています。
もちろん体型的に選抜された子供達だからこそ出来るのだという考え方もありますが、解剖学的に診て本当に無理があるのであれば、骨が柔らかい成長期のジュニアにやらせ続けるでしょうか?