新型コロナウィルスの感染が広がっている中、練習やレッスンがなくなる、出られないというケースが出ていました。そんな中でもジュニアは、自宅で柔軟を頑張っていると思います。
そんな頑張っている体操ジュニアが開脚改善コースを受けにきました。
彼女の悩みは、前後開脚=スプリッツで、骨盤が前を向かずに縦になってしまうこと、です。骨盤は前を向いているときは、普通に横にあるのですが、脚が前と後ろに伸びる状態だと、縦になりやすい。その骨盤をスプリッツでも縦にならないようにするには、ポイントがあるのです。
彼女の例をみていきましょう。
【Contents】
アーティスティックスポーツの一つでもある体操競技。この競技でも開脚は必須要素です。床でも平均台でもスプリッツが土台になった演技構成があるからです。
体操をずっと習ってきているHさんの悩みは、同じスプリッツでも椅子開脚です。
椅子の上に足をのせてスプリッツをすると、どうしても骨盤が縦になってしまう、それを横にしようとすると付け根が痛くなる
のだそうです。
こういうケースで、いきなり椅子開脚を見せてもらう、ということからは始めません。
なぜなら、
椅子開脚が悩みであっても、その原因は椅子開脚の手前にある
からです。
脚を前後に伸ばすことだけを意識してスプリッツをしていると、多くのケースで体幹が前に傾いてしまいます。もしくは首に力が入って、ぐっと下を向いている。
これでは、体幹の支えをほとんどつかっていないことになります。体操競技の練習は、質量とも考えるとバレエよりもかなり筋肉は鍛えられているはず。なのに、スプリッツとなると、体幹と頭が前傾傾向、これがとても多い。
なので、最初に診るのは床に座った状態のスプリッツです。すると、やはり、頭がずれていて、背中に緊張がみられます。この状態でも、脚は前後に開いているようにみえるのですが、『どこかきつくない?』と聞くと必ず、付け根や膝裏がつっぱるという答えが返ってきます。
Hさんには、体幹を支える筋肉を鍛えるエクササイズと骨盤をしっかり立てておくためのエクササイズを繰り返して行ってもらいました。
エクササイズの後、スプリッツ、エクササイズを繰り返して、椅子開脚。
椅子の高さも最初は小さなヨガブロックから始めて、だんだん高さを上げていきます。多くのクラブでは上から押すことがほとんどで、そのため椅子開脚が少し怖い、と感じているジュニアが少なくないからです。
高さを少しずつ上げる前に、エクササイズを繰り返す、そして体幹を支えるイメージを持ってもらうための工夫がこちら、脇でかかえたクッション。どの筋肉を意識するか?を覚えてもらうよりも、カラダでどこを使えばいいいのかを感じるためです。その結果がこちらです。
椅子開脚では、前足や後ろ足、時には両方の足を椅子にのせてスプリッツするのですが、その状態で骨盤がしっかり横にしておくには、かなり強い体幹が必須。それが脚が開いて高くジャンプをするカラダを支えてくれるのです。
足や脚は体幹ではなく、骨盤より下にあります。その足や脚だけみていては、どんなに椅子開脚で上から押しても骨盤は横を向いてくれません。椅子開脚改善に大切なのは、体幹の強化なのです。
その後、Hさんのお母様から頂いた感想がこちらです。
『自分たちだけでは気づけなかった、体格や姿勢の癖も把握することが出来て、教えて頂いたストレッチを毎日継続したいと思います。また、伺えたらと思っております。』
体幹の見直しをするだけで、苦労してきた椅子開脚が楽になります。ぜひ、見直していきましょう。
【院長プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
○毎月一回フロアバレエクラス開催中
カラダが引き上がって脚が軽くなっていきます。一緒に踊ってみましょう~
○トレーニングメニュー【ターンアウトアップ】と【バレエの解剖学】から開脚の本ができました。
『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○踊りやすい、動きやすいカラダについて解剖学の外部講師活動もおこなっています。(活動レポート)