コントーションを習っているMちゃん、先生から『ビールマンがキレイになったね』
と言ってもらえたと教えてくれました。
これまで彼女と続けてきた内容をご紹介します。
【Contents】
コントーションは、モンゴル生まれの身体表現で、極限までカラダを曲げる演技です。実際に演技をしているダンサーを治療したことがありましたが、コントーションをしているジュニアを診るのは初めてでした。
柔軟性は充分あるのですが、逆に上半身のスクエアがぐにゃぐにゃしすぎていて、片足でしっかり床を踏むことが苦手、グラグラしてもっている脚を外してしまいます。
柔軟性がありすぎるジュニアの場合、大切なのは支える筋肉をどうつけていくか、なのですが、大人と違って、後ろに転びそうになっても少しも怖さを感じていないのか、脚でしっかり支える意識、脚をもっている体幹でキープする意識がとても薄いのです。
コントーションは、「曲がることが美しい」という美学が土台になっているようで、そこが他のどのダンスとも違っているところです。バレエであれ、ジャズであれ、チアダンス、新体操、フィギュアスケートであれ、背中を反らせるポーズはありますが、それはテクニックの1つです。
コントーション↓
例えばフィギュアスケートで有名なビールマンスピン。
このスピンを終えた後、脚が降りてきてその後にも演技が続くので、ずっと背中を反らせたままと言う訳ではありません。最初から最後までの演技の中での一部分なので、ビールマンの反りがどれほどあっても、ジャンプの回転不足があれば点は上がりません。
新体操でも同じで、背中でボールをキャッチする技がありますが、その後にそのボールを投げてジャンプしてキャッチという流れにつながらないと、どんなに背中を反らせることができても、演技要素はあがりません。
両方とも、しっかり両脚、片脚で立って滑る、飛ぶ、回ることも大切なので、床と接触している脚のコントロールが欠かせない訳です。
コントーションは、反らせること・曲がることが演技の構成要素なので、脊柱をどうコントロールするかについては長けているので、それ以外の部分を目覚めさせるためのエクササイズをおこなっています。
内容は背筋と腹筋。腕と手がどのような状態になっても、体幹から外れないようにコントロールするには、この2つが欠かせません。
クラスでも腹筋背筋トレーニングはおこなっている、けれど、見せてもらうと「もったいないやり方」になっているのです。
腹を丸めることが腹筋で、背中を反らせることが背筋だと思って続けても、本当に鍛えたいところは育たないんですね。これは全てのエクササイズに言えることなんですが、【鍛えたい場所に効くための正しいポジション】が大切なのです。
ずれているポジションを修正しながら腹筋・背筋をおこなう、そして、脚を支える位置を修正する、これをこの数ヶ月繰り返してきました。その結果、床を踏んで立つ感覚に到達した時、ビールマンが完成するのです。
柔軟性をあげるためにストレッチをするのですが、単に脚の筋肉を伸ばしているだけ、を続けても柔軟性は上がらない場合が少なくありません。
良く見られるシーンは、前後開脚・スプリッツで、前のめりになりながらじっとしている状態。この状態で続けても前後にすんなり脚が伸びるには無理があって、逆にもも裏を痛めることにつながります。
何故なら、前のめりになっている状態は、重心が後ろと前に分散してしまっていいるからです。つまり、脚の筋肉が伸びる正しいポジションではないので、すごく遠回りのストレッチをしているのです。
ではストレッチの効果をぐうんとアップさせるのに大切なコツとは何かと言うと、
上半身のスクエアをキープして真っ直ぐ立てた状態でいる
ことです。つまり、
なんです。
ここで指摘しているのは脚の筋肉じゃあないですよね。
脚を伸ばすことだけを意識しているといつまで経っても開脚は完成しません。視点を変えていきましょう。
腹筋と背筋、そして腕と手が体幹につながっていること、これがとても大きなポイントであり、コツなんです。
あなたも開脚の視点を変えていきましょう。
スパイラル・バックル改善に
【院長プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長
○毎月一回フロアバレエクラス開催中
カラダが引き上がって脚が軽くなっていきます。一緒に踊ってみましょう~
○トレーニングメニュー【ターンアウトアップ】と【バレエの解剖学】から開脚の本ができました。
『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○踊りやすい、動きやすいカラダについて解剖学の外部講師活動もおこなっています。(活動レポート)