脚を伸ばすことだけを意識しているといつまで経っても開脚は完成しません、と書きましたが、まさに脚のストレッチはせずに開脚完成しました。180度コンプリート!
自分でもちょっとびっくりしているのです。
と言うのも、関節からみて私はふつーのカラダだからです。
股関節の可動域も一般的な45度(整形外科の可動域チェックで言われてます)股関節が浅い方ではないので、床に座って足裏をあわせて座った時、膝が床につくところまでいきません。これは、それぞれの関節の角度によるので、無理に床につけようとすると股関節を痛めることにつながるので要注意です。
だから、自分でも180度開脚コンプリートは難しいなとは思ってました。
でも、180度に届く状態はあるのです。床に前屈して上半身がペタンとついて脚抜けする時は180度状態になっています。
子供と違ってカラダが完成した大人の場合は、開脚して床に座った状態での180度を無理に目指すより、骨盤を立てて座れることを第一優先にして、そこから最大に開くところが安全な状態だと考えていました。
特に以前ケガを経験している人にとっては無理に開くと、以前のケガの記憶がよみがえって、逆にカラダを固めてしまう可能性もあるので、腰を上げるために骨盤を立てて開脚できることが大事だと考えています。
ところがです。
私もケガ経験者で、以前の記憶がよみがえってしまうタイプなのですが、ふとした気づきからこれってできるかも???とトライしたら、なんと180度開脚になっていたのです。
ということで、以前の写真との比較をアップしてみました。
9月までの段階は、骨盤は立っていますが、脚はどうしても横にはいかず斜めにあります。
けれど26日の夜、腰が立った状態で脚が横にいったんですね。
気づきは、コントーションをしているMちゃんが見せてくれた資料写真でした。これは、当院の資料ではないのでオープンにはできませんが、筋肉ではなく、首から上の関節の角度にヒントがありました。
もちろん、ハムストリングスや大腿四頭筋群がガチガチに硬かったらこの気づきがあっても難しかったでしょう。でも、ヒントは首から上の関節の角度だったのです!!つまり、脚ばかりストレッチしていても、開脚って本当に完成しないということ。
これは、バレエジュニアや新体操・フィギュアスケート・シンクロジュニアを診ていても実感しています。カラダが柔らかければ左右、前後に脚が簡単に伸びるのか?と言ったらそうではないからです。
多くの人が開脚を脚の筋肉のストレッチだとばかり思っているのが、本当にもったいないです。
実際には、脚が伸びるには腰より上のボディー、そして頭部と肩・腕のつながりが重要なんですよね。26日の自分も、実際にやっていたのはストレッチではありません。
1. 開脚できることは=腰が上がっていることだから
とは言え、何故そこまで開脚にこだわるのか?ですが、開脚はダンスやスポーツ全ての土台となっているからです。プロフェッショナルでこれができていない人はいないはずです。(ただ、彼ら彼女らもケガをしている時は、脚は開きにくくなっています)
と言うのも、カラダで手脚を自由に伸ばして踊る、動くには、腰が上がっていることが不可欠だからです。
競技によっては、開脚が演技の土台にあるものもありますよね。
つまり、腰があがった状態でいないと、演技は完成に近づけないと言うことなのです。
2.開脚の出来・不出来でカラダの状態が判るから
それ以外にも、開脚はカラダの状態を計るインデックスになると考えています。
左右均等に、前後均等に脚が伸びている状態は、カラダが究極の中間位(ニュートラルポジション)にいることを表しています。
日常生活は、おうおうにして、利き腕・利き足に寄りやすい作業がほとんどです。マウスを使うパソコンワークはその典型、メークだって右手でしますよね。受験勉強をがんばっていた結果、背中に歪みをつくってしまったジュニアもいます。
教え中心の先生方、特に女性の先生は、左手バーの見本を見せることで背中・腰が歪んでしまった例もあります。そしてヴァリエーションは、ほとんどが左右均等につかうバーレッスンやセンターレッスンとは対極にあります。それは作品だからなので当然なのですが、だからこそニュートラルに戻しておくことが大切なのです。
右や左に偏って過ごしてしまった結果、その小さなひずみがカラダに染みついてしまうことも少なくありません。そのまま踊り続ける、演技しつづけることは、=歪んだカラダ、歪んだラインのままで踊ることを意味します。
【正しいポジションでおこなわれないエクササイズでは、目的とする筋肉は育たない】これはトレーニングの鉄則です。でもそれはトレーニングだけでなくレッスンや練習でも同じ。
つまり、踊る前にアップをするのは、歪みをほぐして正しいポジションにカラダを戻すためでもあるのです。
左右均等に前後均等に脚が伸びると言うことは、前後左右にひずみが出ていない証拠。だからこそ、開脚が大切なんです。
ひずみがないカラダでレッスン・練習することは、テクニック習得の近道、そしてケガ予防にもつながるのです。
いつまで経ってもターンアウトしない、バックルが苦手ならまず開脚を見直しましょう!!
2014年以来取り組んできたトレーニングメニューターンアウトアップ。年月を経ていろいろなトレーニングをおこなってきたものの集大成として一冊の本にまとめました。
ホームページの移転問題、コロナ禍などがあって、遅れてしまいましたが、ようやくできてきました。
この本は、オンラインのみの販売です。(まさに現在のオンライン化の象徴)、こちらのリンクから購入できます。
内容は、
第一章 骨盤を立たせるために選んだダイナミックストレッチとは
第二章 骨盤を立たせて開脚を変えるエクササイズ
第三章 骨盤を立たせて開脚を変えるエクササイズの仕組み
第四章 開脚を完成に導くための解剖学
第五章 バレエ治療院で診てきた『立てられない骨盤』を解決する大切さ
となっています。
エクササイズの紹介には、見て分かりやすいようにイラストを使用しました。そしてどうしてそのエクササイズが必要なのか、何を目的としているのかについてその仕組みを付け加えています。
そしてどうしても書いておきたかったこと。それが解剖学のパート第四章です。こちらでは、解剖学用語は使わずに、何故開脚が難しいのかを紐解いて、どうしたら開脚しやすいのかについてカラダの謎を解剖しています。
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