前後開脚で骨盤がずれる、こんな悩みを抱えているジュニアは結構たくさんいます。
新体操の場合、前後開脚=スプリッツは、単に前と後ろに脚が伸びればいいというものではありません。膝から下は更に前と後ろに反るように伸び、180度以上開いていることが技の完成として必要となってくるからです。更に、脚を後ろ手に持つバックルもこの前後開脚が土台になっているので、スプリッツで骨盤がずれていると、バックルにも支障が来てしまいます。
悩んでいるジュニアには一つの傾向があります。何度か書いてはいますが、それは、体幹が薄くて細いタイプです。2000年、2010年以降のジュニアは、総じて関節の可動域は十分あるのに、です。
そしてその原因は大きく3つあります。
一つが、肩関節
2つ目が、足の指先
そして、もう一つが、首から先の頭部
です。
開脚、というと、大きくは、左右開脚、前後開脚のことをいいますが、脚を開くと書くので脚のことばかり考えてしまうのですね。その気持は十分に分かります。10歳前後でも、クラブの仲間ができていると絶対自分も負けたくないと思うくらい頑張り屋さんのジュニアはとても多いし、そのくらい頑張るのが楽しいから続けられるのですから。
ただ、3,4歳からずっと練習してきているのに、小学校3年、4年になってもまだ開脚が完成していなかたったり、前はできていたのに、キツくなったと言いだしたら、頑張っているストレッチや柔軟訓練の方向性がずれてしまっているのではないかと、お母さまや指導者には気づいてほしいのです。
もちろん全員が選抜コースにいって大きな大会に出るようになる必要はありませんが、カラダに無理をかけてしまうと幼いうちに関節を痛めてしまうことになりかねないからです。
あんじゅでは、そのジュニアのカラダの個性と弱いところを診ながら、弱い部分の筋肉を補強したり、カラダを支える視点をイメージさせたりしながら、無理なく開脚を育てるサポートをしています。
アーティスティックスポーツのジュニアは、練習の中で比較的筋力が鍛えられている傾向にあるので、バレエだけを習っているジュニアと違い、比較的短期間で前後スプリッツで骨盤が立つようになっていきます。
では、次のコラムでは、スプリッツで骨盤がずれる原因の背景を一つずつ解説していきます。