分かりにくいと言われる解剖学をあんじゅ独自の視点でお届けするのがこの解剖学コラムです。【動かす(踊る)ためにカラダはどんな特徴があるのか?】を軸に人のカラダの仕組みを一緒に見ていきましょう。
前回、三つの骨で成り立っている骨盤の腸骨をとりあげました。
骨と筋肉の関係、骨のあるポイントが筋肉の始まる場所になるということも少し紹介しました。
今回は、骨盤の三つの骨の内、坐骨を取り上げます。
色分けしているアプリはこちら。
坐骨は、座っていて座面に当たる骨で、骨盤の下にあります。
よくみると結構範囲が広いです。
あんじゅではよく「おにぎり型」と言っていますが、坐骨はこんな三角形みたいな形をしている。
これを覚えておくのがおすすめです。
椅子に座っていてお尻がモジモジするのは、座り方が悪いというより、この坐骨がこんな形をしているからもあるんです。
三角おにぎり🍙の頂点を下にしてお皿に置きませんよね。
でも、椅子に座っている時は三角おにぎりの頂点のような場所が座面に当たるわけです。だから後ろに転がりやすい。
おにぎりコロリンがおきやすい。
だから腰を丸めて座る姿勢になりやすいのです。
つまり、腰が丸まってきたら、「三角おにぎりの頂点がズレてるんだ」と思って座り直すのがおすすめです。
坐骨と聞くと、「坐骨神経痛」が蘇る、という人もいるかもしれません。
この神経は、坐骨の近くを走っているので、その名前がついたのですが、実際には坐骨の範囲よりもずっと長く、人の神経で一番太い神経です。
座っている時に坐骨が座面に当たるだけでも痛いと言うのは、その位置と関係があるのです。
坐骨神経そのものに損傷があるケースのほかに、殿部の筋肉や太もも後ろの筋肉が固まることで神経を圧迫して痛みがでるケースもあります。
又坐骨は、「坐骨を下におろして」「坐骨とかかとをつなげて」というように踊る姿勢のインデックスとしても言われます。
そして、開脚ではこの坐骨がしっかり床に立てられることが大きなポイントになります。
おにぎり型だから坐骨は後ろに倒れやすい
そこに気をつけてストレッチをするのがオススメです。
坐骨は又ハムストリングスなど筋肉が始まるポイントなのですが、またそれは後日。
先に骨盤の3つパーツのラスト 恥骨に進みます。
【著者プロフィール】
市川淑宥子(ようこ)
バレエ治療院あんじゅ院長/日本バレエワークアウト協会理事/芸術家のくすり箱プロフェッショナル会員
鍼灸師/フロアバレエ・バー・アスティエ講師/チェアバレエエクササイズ講師
バレエ鍼灸を2008年にスタート、踊る治療家として施術・ターンアウト、開脚改善などを展開。
○著書 『骨盤が立てばあなたの開脚は変わる』
○フロアバレエクラスは新宿にて月一回開催
○インスタグラム ballet.ange