分かりにくいと言われる解剖学をあんじゅ独自の視点でお届けするのがこの解剖学コラムです。【動かす(踊る)ためにカラダはどんな特徴があるのか?】を軸に人のカラダの仕組みを一緒に見ていきましょう。
骨盤を構成している腸骨・坐骨・恥骨を紹介しました。
次こそは股関節!と思いますよね。
股関節以外にも知っておきたい骨盤のいろいろがあるんです。
でも、ここでは先に股関節を少し解説しますね。
股関節ー球関節
骨盤と大腿骨で構成される大きな関節
アプリで見ると「股関節」というのはありません。
関節は骨や筋肉の名前ではないからです。
股関節とはジョイント、骨と骨のつながりのことをさします。
関節は骨と骨のつながり・ジョイント
なので、骨盤以外にもう一つ必要、それが大腿骨。
骨盤と大腿骨、二つの骨があわさる関節を股関節といいます。
骨盤側のあな(窩)は寛骨臼窩(かんこつきゅう)と言う名称です。
え?
寛骨?
そうなんです。
寛骨は、腸骨、坐骨、恥骨があわさった名称なんです。ややこしいんですが。
そして臼(うす)のように穴が空いている。
穴を色分した図がこちら。
ね、3つのパーツに分かれている、まるで円グラフのようです。
対する大腿骨の方は先端が球のように丸くなっている。
関節には、いくつか種類があって、種類によって動きが違います。
先端が球状だから、ぐるぐる回りやすい。
なので同じように球関節である肩の関節と同様、関節の先にある脚、腕はぐるぐる回せる動きができるわけです。
骨の形、関節の形がカラダの動きにつながる
股関節が硬い、股関節を柔らかくしたいを、解剖学的に言うと
「股関節の可動域が狭い」
「股関節の運動性をあげたい」
となります。
股関節をつくる寛骨臼窩やその周りには、大腿骨がはまって安定させるための構造があります。
関節は骨と骨でできているのでそのままだと骨がぶつかり合う。これはカラダには負担です。そうならないように補強されているんです。
沢山ありますが、代表が股関節唇(こかんせつしん・アプリでは寛骨臼唇)です。
※外側のブルーは、大腿骨を守る滑液包です。
骨盤側にある柔らかい軟骨で大腿骨の頭(大腿骨頭・だいたいこっとう)を包んでいるようになっています。
脚からくる加重で股関節が痛まないようにサポートしているわけです。
脚を開きたいからと外へ外へと引っ張ってしまった結果、この股関節唇(寛骨臼唇)を痛めるというケースがあります。(股関節唇損傷)
体重を支える大きな関節とは言え、キャパシティ以上の負荷がかかると、股関節のなかの軟骨にまで傷がはいってしまうのです。
他には、イラストで薄く見えている灰色のシマシマが大腿骨と骨盤をつなげる靱帯です。これらも後で解説していきます。
さて、股関節の可動域を増やす、股関節の運動性をあげるにはどうすればいいのか?が一番関心の高い点だと思いますが、可動域や運動性は骨盤や大腿骨の骨だけでは語れません。
というのも、骨盤や大腿骨にある筋肉以外の部分が股関節の可動域や運動性を左右する大切な要因、だからです。
大切、と聞くと先に進みたくなりませんか?
と言うことで、股関節の可動域や運動性について知りたいからこそ、骨盤の骨以外の部分を掘り下げてみましょう。